第9話 初パーティー ○

(鑑定!)


名前 ディック 人族  男

 レベル 20

 職業 戦士

 HP 98

 MP 31

 攻撃力 105

 魔力   26

 耐久力  98

 敏捷   72

 運    50

 スキルポイント 39

スキル

 剣術 Lv2


 まず最初に目に入った冒険者は、レベル20の戦士だった。


 ステータスはレベルアップ時に0~5上がるはずだから、レベル20で上がる最高値は95か。初期値がわからないけど、戦士としては中の上ってところかな。


 もう少し強そうな人を探してみる。


名前 フィオネ エルフ族 女

 レベル 45

 職業  魔法使い

 HP  104

 MP  215

 攻撃力 125

 魔力  220

 耐久力  95

 敏捷  177

 運   110

 スキルポイント 289 

スキル

 風操作 Lv3

 水操作 Lv2

 治癒  Lv1


 おぉ、さすがエルフ。MP、魔力はこのレベルでの最高値に近いと思う。さらにこのレベルになるとスキルも複数になってくるのか。スキルポイントが289あるから300ためて水操作のLvをあげるのかな。


「こんにちは」


 俺が鑑定スキルで個人情報をのぞき見していると、一人の冒険者がアスカに声をかけてきた。金髪で見た目は高校生くらいに見える、なかなか爽やかなイケメンの男だ。ありふれたライトメイルを身につけているところを見ると、まだ駆け出しの冒険者といったところか。


「初めまして。僕の名前はレスターで職業は【戦士】です。君がアスカさん? 受付で紹介されたんだけど、治癒が使えるんだよね?」


「はい、私がアスカです。治癒はまだLv1ですが使えます」


 アスカが事前に確認しておいた設定を伝える。


「おー、よかった。これから森の方へレベル上げをしにいくんだけど、一緒にどうかな? 丁度、治癒が使える人を探していてね」


(こっそり鑑定!)


名前 レスター(人族 男)

 レベル 10

 職業 戦士

 HP  63

 MP  11

 攻撃力 68

 魔力  16

 耐久力 60

 敏捷  42

 運   26

 スキルポイント 59

スキル

 なし


 ふむふむ、このレベルにしては高い数値だな。最初に見たディックという人よりも、素質がありそうだ。しかし、スキルがないってことは、誰もが生まれつきスキルを持っているわけではないのか。


 悪い人間じゃなさそうだし、レベル上げはこちらも望んでいることなので、早速パーティーに入れてもらうようにアスカに伝えた。


「ぜひ、お願いします」


「オッケー、それじゃあ準備ができたら入り口まで来てくれるかな? 他のパーティーメンバーを紹介するから」


「わかりました。すぐに支度しますね」


 席を立ち、お昼代の100ルークを支払う。衛兵のクロフトからもらった1000ルークと、受付ついでに買い取ってもらったブラックウルフの牙が、1本だけ渡して100ルークだったので手持ちは1000ルークある。荷物を入れるリュックくらい用意しておくか。


(アスカ、そこの装備品売り場でリュックでも買っておこう)


(うん、見てみるね)


 デザイン性というよりは機能性に優れたリュックが並んでいる。アスカは地味な緑色のリュックを選んだようだ。


(もっと可愛い色にすればよかったのに?)


「でも、これから魔物と戦いにいくから、あんまり目立つ色はよくないかなと思って」


 おぉ、ナビゲーターの俺としたことが、そんなことにも気づかなかったなんて。許してくれ妹よ。それにしても、そんなところに気がつくなんて、やっぱりアスカは頭がいい。


 リュックを購入して、アスカは入り口にいるレスターの元へと向かう。レスターは弓を担いだ赤髪の男と、杖を持ったエルフらしき女の子と話をしていた。


 魔物を狩りに行くのなら、また少しスキルを足しておくか。念のため、ステータスも隠蔽で偽装しておこう。こういうとき、スキルマスターの力でアスカのスキルを自由にいじれるのが便利だ。


名前(ヒイラギ)アスカ 人族 女

 レベル 2

 職業 なし

 ステータス

 HP  12(20)

 MP  22(30)

 攻撃力 12(20)

 魔力  32(40)

 耐久力 12(20)

 敏捷  22(30)

 運   22(30)   

 スキルポイント 9

スキル

 (思考加速 Lv1)

 (身体強化 Lv1)

 (全状態異常耐性 Lv1)

 (全属性耐性 Lv1)

 (経験値増加 Lv1(2倍))

 (スキルポイント増加 Lv1(2倍))

 (ステータス補正 Lv1(2倍))

 (鑑定 Lv1)

 (無詠唱) 

 (魔力増大) 

 (消費魔力半減)

 (風操作 Lv1)

 (炎操作 Lv1)

 (水操作 Lv1)

 (土操作 Lv1)

 (氷操作 Lv1)

 (雷操作 Lv1)

 (光操作 Lv1)

 (闇操作 Lv1)

 (重力操作 Lv1)

 (時空操作 Lv1)

 (隠蔽 Lv1)

 治癒 Lv1

 (探知 Lv1)

 (危機察知 Lv1)

 (経験値共有 Lv1)

 (魔力回復倍化 Lv1)

 (自動地図作成)


 ステータスは初期値から全部2ずつ上がったことにしておこう。これだけ見るとがっかりステータスだけどね。

 スキルは付けすぎたか? さっきのエルフはレベル45でも3つしか付いてないのに、アスカはレベル2で28個って……やりすぎか? まぁいい、何かあってからでは困るのだよ、何かあってからでは。


 俺がスキルを付与しステータスを偽装している間に、レスターがアスカにパーティーメンバーを紹介していた。


「僕の名前はエリック、【戦士】で弓使いです。まだまだ駆け出しだけどよろしく!」


 赤髪の男が自己紹介をする。年はレスターと同じくらいだろうか。こちらは茶色のレザーアーマーで、身長の半分もある弓を背中にかけているのが特徴的だ。


「私はシーラよ。見ての通りエルフで【魔法使い】よ。よろしくね」


こちらも見た目高校生くらいの美しい女の人だ。見ての通りというのは、金髪のさらさらヘアーからちょこんと出ているとがった耳のことだろう。緑色のローブがよく似合っている。


 そうこなくっちゃ。エルフ=美人、この方程式は永遠だね!


「アスカです。初心者ですがよろしくお願いします」


「自己紹介も済んだことだし、早速出発しようか。目的地は『ソーマの森』、獲物は『ゴブリン』だ!」

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