3 あの時からずっと
久々のエジーとの再開まで、何となく布団の上でボーッとしていた。
俺もあんな風に真っ当に生きれたのだろうか。
そんな、もし、たら、れば、ばかりが頭に浮かんでいる。
今までの道は間違っていたのか。
らしくないことばかり考えていたが、俺が運んできた子供達の顔を思い出す度に心は硬くなる。
たとえ間違いだったとしても、自分の選択への責任を持って俺は生きる。
それが、贖罪。
普通の生き方なんてもう出来やしない。
時間が近づいてきて、待ち合わせ場所へ向かう。
ヨレヨレのシャツにジーンズで来たエジーと会い、オアシスの街並をぐるぐると回った。
都会に染まっている訳では無いが、やはりエジーの方が物を知っている。
広い公園に立ち寄って、昔話に花を咲かせる。
マフィアの話は伏せながらお互い未開の世界への話を膨らませる。
風でサッカーボールが足元に流れてきた。
顔を見合わせ、パスを出し合う。
ふと、言いたかった事がするりとこぼれ落ちていく。
「エジー。ガキの頃、最後に酷いこと言ってごめんな。」
「いいよ、気にしてないから。僕だって直前に言ってしまったからさ。」
そうやって、お互いに気持ちをボールに乗せて蹴り飛ばした。
あの日見た夕焼けと同じ空が俺達を照らしていた。
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