4 アリサ・トリアーナ
またいつも通りの日々が続く。
エジーとの再会は思いもよらないもので、過去は清算できたと思う。
帰り道の路地でタバコをふかす。
最近はエジーをここで見かけないが、時間を変えたんだろう。
空をボッーと見上げながら煙を吐いた。
ふと暗闇からの気配感じ咄嗟に回避を行った。
以前、エジーを助けた時にいた男3人組。
会話は無く、1人1人薙ぎ倒していくが何度も向かってくる。
あの時の怪物の様に、懐から銃を取り出そうとした時に大声が聞こえた。
「いい加減にしろ・・・!」
引き金を引こうとした。
「お巡りさん!!!こっちです!!!」
大声のする方へ、振り返ると女性が1人走り込んできていた。
藍色の髪に白衣を着た華奢な女。
別にその後ろに警察が来ているわけではないが目を離した隙に男達は去っていた。
女がこっちに近づいてくる。白衣にはワッペンが付いており、見覚えのあるそのワッペンはエジーの研究室の物だ。
「君はもしかしてエジーの所の人間か?」
「エジー先輩を知ってるの?私はアリサ・トリアーナ。あなたは?」
「俺はガラン、ガラン・グレイだ。助かったよ、ありがとう。」
「あー!久々に会ったって友人はあなただったのね。先輩は嬉しそうに話をしてたわ。良い関係なのね。ここら辺は危ないから気をつけて。また会ったら、お話しましょ。またね。」
そう言ってアリサは足早に去っていた。
何となく緊張が張りつめていた。思いのほか美人だったからとか、そういう類で緊張していたわけじゃない。
特に女性は、自分からは遠ざけたい存在、というのは少なからずある。
経験の乏しさから、苦手意識が多く。不安定な精神状況のサイクルで生きていて、下手な事をすれば逆鱗に触れて倍返しされる。理不尽という言葉を象徴したような存在、そのイメージでしかない。
もう一度、煙草に火を付けた。
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