2 再開
仕事が終わり、今日も成果はなかった。
とりあえず、この前の飲みの帰りの路地裏で煙草を吸う。
またあの弱々しい男が通るから守ってやるつもりでは無いが少し気にしている自分がいた。
吸いきって帰ろうとした所に、あの弱々しい男がせっせこ小走りでやってきた。
電灯の光で顔が少し見える。
眼鏡をかけた線の細い男、遠い昔に見覚えのある顔。
そうだ、あれはエジーだ。
咄嗟に声を上げていた。
「エジー!」
「え、あなたはこの間助けてくれた人・・・。どうして僕の名前を?」
「俺だよ、ガラン!ガラン・グレイだよ!」
「ガラン・・・あのガランかい!久しぶりだ、どうしてここに!」
こうして懐かしい友との再開を喜びあった。
昔から賢かったエジーはあの後、飛び級に飛び級を重ねて研究者として過ごしている。人の脳の神経系を専門とした脳化学者だそうだ。
よく、人間の脳は潜在能力の10%しか引き出せてないという仮説がある。その仮説を元に、発揮しきれていない潜在能力を能動的に目覚めさせる事を目標にしているらしい。
俺があの時に見た怪物は獣だったし、人間がそうなる事はないはずだ。
まだ人間で実験は出来ない段階だから、その為のラットをエジーはこの路地で買っていたそうだ。
俺達はしばらく話し込んでから、今度エジーとの予定を取ってその場を後にした。
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