第1話 異世界

1


 その日は蒸し暑く、ジリジリと照らす太陽の下でセミが大合唱をしているような日だった。

「はぁ…暑い」

 片手には水が滴るコンビニ袋を、もう片手には溶けかけたアイスを持ちながら、僕は家までの坂道をひたすらに登る。

 暑すぎて思わず声が出てしまった。

 そう思いながらふと後ろを振り返ると、チラチラとこちらを不審な目で見ている子連れのママがいた。

 それもそのはず。まだ完璧に怪我が治りきっていない、青あざだらけの顔でよろよろと歩いているのだから。

 その姿はまるで喧嘩してきた後の不良そのものだっただろう。

 僕は あ、スミマセン。と、軽く会釈をし、逃げるようにすぐそこの曲がり角を曲がった。

 本当は遠回りなのだが、あの雰囲気になんとなく耐えきれなくなってしまったからだ。

 数秒歩き、そのママさんが見えなくなった頃、僕は周りに人がいないのを確認してから少し小走りで家路を駆けた。

 所々で溶けかけるアイスを立ち止まって食べながら駆ける。

 ただ、走ったおかげか、いつもより少しだけ普段より早く家につくことができた。

「ただいまぁ」

 玄関で靴を乱暴に脱ぎ捨てながらもその後しっかりと並べ置く。

 やっぱ人間出るなぁ。

 なんて思いながらキッチンに向かい、買ってきたものを冷蔵庫や棚に並べていく。

「キッモ。あ、頼んだやつ頂戴」

 食べ終わったアイスの棒をねぶりながら鼻歌を歌っている僕を見た妹がそう言う。

 家族には怪我のことは体育でボールがぶつかったことにして、その場は一旦とどめた。両親はなんとなく気づいているようだったが、僕の口から本当のことを聞くまでは触れないようにしているようだった。

 妹は本当に気づいてないようだった。

「お前なぁこのアイスの棒に残ったチョコの甘さがわかんないかなぁ?まぁいいわ。ほい」

 キモいと言われたことに少ししょげながらもカップアイスを妹に向かって投げ渡す。

 それを速攻で開封し あぢー、と言いながら貪り食うパンイチの妹には品性の欠片もない。

「お前の恰好も十分キモいぞ」

あ…口が滑った。なんて思ったときにはもう遅い。

「は?お兄に見せてんじゃねぇし。てか仮にもミスコン一位の私のパンツ姿がきしょいわけ無いだろ。お金とってもいいぐらいだぞ。あと冗談は性格と顔だけにしろよ」

 あぁ。こうなったら面倒くさい。数分は捲し立てるような早口自慢と貶しが止まらない。

 普通、本当にミスコン一位の人ならこんな事言わないと思うのだが、うちの妹は自分の見た目に圧倒的な自信をもっているからか、こんなに傲慢で怠惰なのだ。おまけに食欲大勢。

 ほんと、一人で七つの大罪全制覇できるんじゃやいかってぐらいにはヤバい。

 でも、本当に姿だけは男ウケがいいからなんとも言い返せないのだ。

 あ、はい、そっすね、すごーい。

 適当にいなしながら黙々と買ってきたものを並べていく。

 幸い、うちの妹は自分の話をしているときは周りが見えてないので作業してても気が付かれない。

 友達の前でもこうだったら流石にヤバイよな。なんて絶対に口が裂けても言えない。

 丁度並べ終わった頃に満足したのか、

「ほんとに血が繋がってるのかしら。」

 と、言い残し、台所を後にしていった。

 だが、こんな事を言いつつも、たまにデレっと甘えてくるのがいいんだよなぁ。なんて思いながら、僕も自室に戻る。

 いつも通りパソコンを起動し、制作途中の小説に手をかける。

「ん〜。あんま構想が…」

 ぼーっとしながら、ただ画面を眺めながら1時間ほど経った。

 ヒュロロロロ〜ドン!

 ふと窓の外を見る。

 すると外では沢山の花火が上がっている。

「あぁ…もうそんな時期か…ん?」

 ピロン!と、滅多に鳴らないスマートフォンから通知が来た。相手は小学校時代からの友人達のグループチャットだった。

 久しぶりに動いたかと思い、内容を見てみる。すると、中学校時代、仲の良かった四人組で今日の花火大会に今から行こうと言うのだ。

 いいね!

 おけ。

 じゃあ今からあの公園な。ショウちんは?

 どんどん話が進んでいく。だが、彼らは数少ない、僕のことを理解してくれる友人なので、僕がテンポの速い会話にはついていけないことを承知の上で話しかけてくれる。

 うん。僕も行くよ。

 そう打つと僕の重い、さっきまで固まっていたスライムのように椅子にへばりついていた腰は、少し濡れ溶け、スルっと取れたかのように立ち上がった。

 ササッとカジュアル風な服に着替え、最低限荷物だけ持って妹にバレないように静かに家を出た。

 道中、屋台でも買えるだろうとは思ったが、もし売り切れてたらと思うと気が気ではなかったので、みんなで食べれるような、お菓子とジュースだけを適当にコンビニで買い揃えた。

 両手にコンビニ袋、肩にはサコッシュを下げて夜道を歩いているその姿は、まるで本当のニートにでもなったような気分だった。

 このまま行くと将来、本当にニートになってしまうのではないかという不安に駆られる。

 が、今はそんなことを考えず、旧友との時間を過ごそうと、そう思いながら少しだけ軽くなった足取りで、懐かしいあの公園に向かう。

 その道は昔とはまるでかけ離れて見えた。

 懐かしい木々が並んだ路地を小走りで駆け抜ける。

 小学校中学年の頃、駄菓子屋に寄った帰りにそのまま公園まで向かった道だ。

 たった六、七年前のこと。この町ができてから、今までの時間に比べたら、霞んでしまうような時間かもしれない。

 だが、その六、七年で見えるようになった景色はまるで違う街かのように感じてしまう。

 ハァ、ハァ、と、久しぶりの運動に息を切らしながら走る。

 あ、顔の怪我のこと、みんなになんて言おう。

 そのことを考えたのは、木の下に集まっているみんなの影が見えた始めた頃だった。

 まぁ、なんとかなるだろう。と、そんなことを考えながら、 おーい!と、彼らのことを呼ぼうとする。

 が、次の瞬間。僕は本当に見慣れない道で、真っ暗な路地裏で一人、おーいと叫んでいた。


 2


 「は?」

 本当に訳が分からなかった。

「お前ら?おーい。どこだよ。なんだよぉ。ここどこだよぉ。」

 気弱な僕は怯えながら声を張り上げてそう叫ぶ。

Ctcgdxpeうるせぇぞ!』

 すると突然、その路地に面している家の二階の窓から、タンクトップ姿の中年小太り男が酔った顔を真っ赤にしながらそう怒鳴ってきた。

 とっさにごめんなさいと謝る。すると男は『チッ』っと、大きく舌打ちをし、外れそうな勢いで窓を閉じた。

 本当に困惑してきた。

 あたりを見渡すと、都会ではめったに見られないほどの大きさのネズミ?が横切っていくのがちらりと見える。

 とてつもないほどの不安にかられながら、とりあえず路地を出て、明るい方向へ向かってみる。一旦路地から出ればここがどこなのか分かるかも知れないと言う安直な考えゆえの行動だ。

 だが、歩いているとだんだん落ち着いてきたのか周りがようやく見えてきた。

 ここいらの路地は日本では考えられなような、まるでヨーロッパ諸国で使われているような無造作なタイルが基盤としてできていたのだ。そう、あの少し洒落た風景画などのテンプレみたいな。そんな感じだったのだ。

 そしてとっさに答えてしまったが、さっきのおじさん。よくよく考えれば本当によくわからない言葉を発していた。なんて言ったのか気になり、スマホを開く。

 が、スマホは圏外で、おまけに現在地はどういうわけか日本の真下。フィリピン海付近の海を指している。本当に何もない海の中だ。

 ここは海外なのか?そうしたらこのタイルも圏外なのも、そして言語が違うのも、すべてが説明つく。しかし、次の瞬間にはそんな考えも全て吹っ飛んでしまうような光景が広がっていた。

 路地を出る。するとそこには明るく照らされた屋台が広がっていて、誰一人として僕と同じ格好をしているものはいなかった。否、正確にはカジュアル風な服で黒髪、両手にコンビニ袋、肩にはサコッシュを下げているような一般群衆に溶け込んでしまうほどの何のアクセントも無い服が異質に見えるような、皆がどこか違う和服のようなものやローブ、甲冑や踊り子風なものを着ていて、髪色は金銀青赤緑様々だった。そして耳が長かったり肌の色が緑だったり、爬虫類が擬人化したみたいな見た目の人がいたりした。

「はぁ...」

 ここまで行くと一周回って感嘆息がでてしまう。まるでアニメや漫画の中に入り込んでしまったみたいだ。

 そういえば漫画を枕の下において寝るとその夢を見るとか聞いたことあるな。もしかしたら…。

 今のとここれが一番の信憑性がある。僕は夢を見ているんだ。そしてその確認方法は唯一つ。僕は持っていた荷物を二つとも左手に持っていき、空いた右手を高く上げる。そしてまるでムチを振るうように手首のスナップを効かせて思い切り自分の頬をひっぱたく。

 一瞬ピタリと時が止まる。しんとした屋台街には頬を叩く乾いた音が響き渡る。皆怪訝そうな顔をしてこちらを向くのも束の間。すぐに屋台の賑やかさを取り戻している。

 ざわざわと聞こえる民衆の話し声とひっぱたいたことによる耳鳴りでしばらく頭が停止する。

 数秒経った頃だろうか。僕はようやく夢ではないことを認識する。

 呆然としながらあたりを見渡すと、これまたどの看板にもよくわからない文字列が並んでいる。

 あぁ…

 視界がぐらんと暗転する。処理しきれないほどの情報に脳がショートしてしまったのだ。そのまま僕の意識は暗闇に…

「|Ezhaibbhblunn.Qabpbjcfa.《おっと兄ちゃん。だいじょぶか?》」

 急に誰かに抱きかかえられた。あまり目がぼやけて見えない。が、僕は最後に聞こえたかもわからない声で『水』とだけいい、やはりそのまま意識を落とした。


 3


 目を覚ますとやけにボロいベットの上でボロい布を被せられて寝ていた。

 おでこにはもうぬるくなった濡れタオルがのせられている。そしてそのベッドの傍らにはスゥスゥとかわいい寝息を立ててシーツを握っている赤髪の小柄な子供が寝ていた。

 11歳ぐらいだろうか。顔は中性的で男か女かはわからない。というかそれよりなんでこんなところにいるのか、そしてここがどこなのかもわからない。

 オロオロしながらその子を起こそうか迷っていると、ボロい木の戸がギィィーと音を立てて開いた。そしてそこから顔が見切れるほど大きい筋骨隆々のおばあちゃん…と言うには若い、おばさんが出てきた。

Ela.kdoagakdhaiefab.おや。目が覚めたのかい。

「ええっと…」

 やっぱり言葉がわからない。

「あの…私。言葉が。わからない。ここ。どこ?」

 僕は言葉が通じないその人にそう、身振り手振りを加えながら言った。するとその人は、ひどく驚いた顔をして、

「あんた。古語が話せるのかい?あの子の聞き間違いじゃなかったんだね。」

 そう流暢な日本語で聞いてきた。

「え?あ、古語って日本語のことですか?」

 話が通じたことに少し驚きながらも僕はそう聞いた。

「その、ニホンゴ?っつうのはわかんないけど古語なら分かるよ。ていうか、あんた。大陸語はわからないのに古語は分かるの?」

 セイン語?古語?訳が分からない。戸惑っている僕にその人は優しく話しかけてくれた。

「って言われてもわかんないか。じゃああんた。どこからきたの?」

「えっと、東京」

 そう答えるとその人の顔は今度こそ訳が分からないとでも言うように歪んだ。ここで僕は、頭の片隅にはあった一番信じたくない仮説。ここが異世界なのではないかという結論に至る。

 ここは現実世界で、信じてはいないが、なにかオカルト的な力で他国に飛ばされたと無理やり納得しようとしたが、流石にこんな国、見たことも聞いたこともない。

 しかも東京を知らない国などあるだろうか。

 そうなると自然に消去法で、一番ありえなかった仮説が一番現実味を帯びてきた。

 ではそうだとして、なんで僕はここにいるのか。死んだわけでも魔法陣的なもので召喚されたわけでもなさそうだ。

「まぁいいや。あんた。腹減ってる?」

その言葉で昨日の昼から何も食べた無いことを思い出した。思い出すのと同時に緊張が溶けたのか、一気にお腹が空いてきて、お腹が弱々しくグゥ~っと鳴った。

「その様子じゃ聞くまでもなさそうだね。待ってな。今から作るから。じゃあその子起こしといて。」

 豪快に笑いながらそう言うと部屋から出て、下の階に下っていってしまった。

 今までの会話で忘れかけていたけどそういえば隣で子供が寝ているんだった。

 そう思いその子の顔を覗き込む。よく見れば可愛らしく整った顔をしていて、不覚にも可愛いと思ってしまった。ぷにぷにとその頬に触れる。んん~としかめる顔がとても愛くるしい。意外と華奢で、よく見ると骨格が細いのできっと女の子だろうと分かる。

 何考えてんだ。相手は子供だぞ。

 既で理性を保った僕はとりあえず肩を揺すって起こした。

「ふぁああ。なぁに。ばあや?もうちょい寝かせて」

 むにゃむにゃと言っているその子を起こすのは忍びなくて、おばさんには悪いが起こさないように抱きかかえて下に降りる。二階建ての建物だったようで、降りたらそこにはすぐ食堂が広がっていた。

 食堂と吹き抜けになっているキッチンにはこちらに背を向けて料理をしているおばさんがいた。

「おっ。降りてきたね。じゃあそこに座って待ってて。」

 そう言い、こちらは向かずに指を指している方には一二人がけのテーブルがあった。

 とりあえず三人分の食器が置かれたスペースの真ん中にある席にその子を置いた。するとようやく目が覚めたのか、

「あ。お兄さんだ。おはよう。もう元気?」

 と、眠たい目をこすりながら聞いてきた。

 僕は愛くるしい頭を撫で回したくなるのを我慢して、うん。元気だよ。と、そう答えた。

 その子は良かったぁ。と言うと座っている僕の膝の上に乗っかってきた。

「えっと…なにしてるのかな?」

「ん〜?乗っかりたい気分なの」

 そう言うと自分の食器をこちらに寄せて。こちらに顔を向けると ヘヘッ。っとはにかんできた。尊い…

 そんなことをしてると料理ができたおばさんが運んできてくれた。

「おっ。アリーが懐くなんて珍しいね。相当お兄さんに情がうつったんだろうね」

 ゴト、ゴトッ、っとできた料理を置きながらそう言う。

 少し嬉しくなりながら料理に目を向ける。

 米?のようなものの上に肉や野菜、そして目玉焼きらしきものが乗っかっている。

 全体的に僕の見知ったものとは違う。だが、香りは芳醇でごま油や、焦がし醤油のような匂いが僕の脳をダイレクトで刺激する。

 僕は頂きますを口走ると。さっそうとご飯にかぶりついた。下ではその子も真似してかぶりついている。

「もうふたりとも。そんなにがっつかなくてもご飯は逃げないわよ」

 そんなことを言われても匙が止まらないのだ。肉や野菜にかかったごま油と焦がし醤油らしきものを使った香ばしい香りがするタレがご飯に絡みつく。それだけで白米三杯はいけそうだ。

 あっという間に食べるとどんぶりいっぱいとは思えないほどの満足感があった。

「ごちそうさま!本当に美味しかったです!お店とか出してるんですか?」

 そう聞くとおばさんはどこか懐かしさに浸るような顔をして、

「ええ。」

 と、言った。

「そういえば自己紹介がまだだったね。あたしは巨人族のローラ。昔じゃこの国の副戦士長をやってたんだよ。でもこの足でね。四十歳後半あたりで引退してから十数年。今までここでスラム街の人ら用の食堂をやってるんだ」

 パンっと手を叩き、話を変える。

 今まで気が付かなかったが、よく見ると彼女の右足は義足で、そこだけメタルチックになっていた。そしてスラム街と言ったか。気絶する前の街とは違い、少しボロかったのもそのためだろう。

「次はあたいね。あたいはケットシーと人間のハーフ。アリーっていうんだ。十五年前におばあちゃんに拾われてね。そこから一緒に暮らしてるんだ。お兄さんは?」

 その子は口いっぱいにご飯を頬張りながら早口でそう言った。

「ちょっとまって。巨人?ケットシー?なにそれ?」

 種族的なものなのだろうか。それならこの世界じゃ人間だけじゃなくいろんな種族がいるのか?それにしてはふたりともぱっと見じゃ身長ぐらいしか違和感がなかった。そんな疑問が頭を駆け巡る。

「え?じゃあ逆にお兄さんは何なの?」

 まるで、僕のほうがおかしいかのように聞かれる。

「に、人間?だとおもう」

「へぇ~。純粋な人間たぁこの国じゃ珍しいね。お兄さん他国から来たの?それなりに良さそうできれいな服着てるし貴族とか大名?もしくは王族だったりする?」

 珍しいということはこの国はおそらく多種多様な種族がいるのだろう。スラムや貴族という階級制度。そして町並みや家の雰囲気。それを見るに文明レベルは中世あたりらしい。でも引っかかる。さっき見たお祭り?では明らかに屋台があったし、それに皆着物?らしきものを着ていたのだから。

 もしかしたらいろんな文化が混じり合っている、それこそ現代日本のような価値観なのかも知れない。

 とりあえず良くはわからないので、下手なことはあまり言わないようにすることにした。

「えっと。僕は人間の正運。十六歳。えっと、ずっと東の方から来たんだ」

 嘘はいってない。日本は東の国。ましてや東京なんて東の都なんだから。

「正運ってなんだか大名達の名前みたいだね。いい名前。かっこいいよ」

 そう言われるとなんか照れてしまう。

「ていうかじゃあ十六歳ってあたいよりも年下か。お姉さんって呼んでもいいよ」

「え?ってえぇぇぇぇぇ!!!十歳ぐらいじゃないの!」

 たしかにそうじゃなきゃ十五年前に拾われたことに矛盾する。でもやはり信じられない。じゃあさっきまで僕は年上のお姉さんに向かって可愛いとか思ってたのか。きっつぅ…

「ち、ちなみに何歳なの?」

「六つのときに拾われたから今年で二十一歳かな」

 無い胸をそらしながらえっへんとでも言いたげな顔でそう言う。

「よし。じゃあ飯も済んだことだし、アリー。正くんにこの街を軽く案内してあげて」

「了っ解!じゃあ付いて来るが良い少年!」

 そう言うと彼女は鼻歌交じりにスキップをしながら軽快に家から出ていった。僕はローラさんに行ってきますと挨拶をしてからまるで彼女の子守をするような気持ちで追いかけていった。

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