第11話 もし小説家になろうがフルメタルジャケットだったら。

もし小説家になろうがアメリカ戦争映画の新兵罵倒シーンだったらこうだよなあという風刺エッセイ的なの。名作フルメタルジャケットに胸を借りました。(無断)




「私がなろうチュートリアルのハートマン軍事教官である!

 手始めに異世界恋愛とハイファンタジーを読んでおけ。

 なろうランキングではこの2つが鉄板だ。

 それから、ポイントを稼ぐために毎日投稿しろ。

 分かったか、底辺作者ども!」


「「「「サー、イエッサー!」」」」


「ふざけるな! 今の流行は婚約破棄だ!

 貴様ら、まだ読者の求めるものが分からんのか!」


「「「「お前との婚約を破棄する!」」」」


「貴様ら底辺が俺の訓練に生き残れたら

 各自が真のなろう作者となる。

 読者にざまぁを提供し続ける死の奴隷だ」


「それまで貴様らはただのウジ虫だ!

 貴様らには1ポイントたりとも与えん!!」


「貴様らは書籍化作者ではない。

 だが読者から見ればプロもアマも関係ない。一作者だ」


「貴様らはポイントを与えない俺を嫌うだろう。

 だが嫌えばそれだけ学ぶ」


「俺は厳しいが公平だ。

 ジャンル差別は許さん」


「ざまあだけ、ジャンル詐欺、プロローグ短編、すべて……

 ポイントを吐き出させればそれでいい!」


「俺の使命は無駄に壮大なオリジナルハイファンタジーを書く底辺共を刈り取ることだ。 愛するなろうに巣食う害虫を!分かったか、底辺共!」


「「「「お前との婚約を破棄する!」」」」

 

「ふざけるな! 読者は異世界転生を求めているぞ!!」


「「「「ステータスオープン!!」」」」


「そこの底辺顔! 名前は?」


「サー! あめだま二等兵であります! サー!」


「本日よりマスカキ駄文製造機と呼ぶ。

 いい名前だろ?」


「サー、イエッサー!」


「聞いて驚くな、マスカキ野郎。

 なろうでは指輪物語やはてしない物語のような作品は通用せん!」


「サー、イエッサー!」


「指輪物語とか超面白くね?俺、ボロミアのファンなんだけど、あの角笛のクールさが分からんとか見る目なさすぎだろ」


「誰だ!?どこのなろうテンプレクソアンチだ!?

 作家とは名ばかりの自己満野郎が!!

 詩ジャンルにポエムを無限投稿させられたいか!!?」


「無視か!?隙あらば、なろう批判を繰り返すド底辺が!!

 上等だ! 詩以外にエッセイでも貴様のオナニーを無限列車させてやる!!」


「貴様か? 作家気取りのクズは!?」


「サー、ノー、サー!」


「クソ野郎が! 貴様だろ!?

 書いてはエタを繰り返す、中折れ寸前のマラ筆が!!」


「サー、ノー、サー!」


「自分であります。貴族の家に生まれて追放された俺氏、闇落ちしてすんげえ能力を得て実家を見返しざまぁする。今さら後悔しても、もう遅い!を書いております!!」


「そっちのクソか、積極的な長文タイトルは感心だ。気に入った。家に来てひなちゃんをファックしていいぞ」


<腹パン!>


「このお惚けジョーカーが!! 一般作品を読んだぐらいでなろうランキング一位は取れん!!テンプレ通りでもなろう読者は笑わん! 読者に媚びて媚びて媚びまくる作品を書け!!」


「さあ立て! 立って次話を毎分投稿しろ!! 

 一分でも投稿をサボってみろ。

 即座に貴様は詩ジャンル行きだ!」


「サー、イエッサー!」


「ジョーカー二等兵! なぜ我が愛すべきなろうに入隊した!?」


「印税でお婆ちゃんに仕送りするためです。サー!」


「つまり貴様は未来のプロ作家だな?」


「サー、イエッサー!」


「ではプロ作家の顔をしろ!」


「サー?」


「読者にポイントをねだる時の顔だ!

 あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!!!!!

 毎日投稿します、面白かったらブクマ・評価をお願いします!!

 これがプロの顔だ。やってみろ!」


「ああーー!」


「ふざけるな、それでポイントが貰えるか!!

 もっと気合を入れろ!!」


「あ゛あ゛あぁあああああああ!!!!!!」


「まるで誠意が感じられん! 土下座の練習でもしとけ!!」


「サー、イエッサー!!」


「貴様の得意ジャンルは!?」


「得意ジャンルでありますか?」


「質問しているのはこちらだ。早くその低能な頭を働かせて答えろ!」


「悪役令嬢の婚約破棄のやり直し物の逆ハーレム物であります、サー!!」


「低俗なポイント欲しがりやめ!

 貴様の書くヒロインは王子様そっちのけで白馬とずっこんばっこんなんだろ!?」


「サー、ノー、サー!」


「嘘を付くな! ありがちな婚約破棄から、不意打ち気味の獣姦で、読者をハートブレイクするのが貴様のヤリ口なんだろ!?」


「サー、ノー、サー!」


「なろうで書き始めて何年になる?」


「十年目に突入であります、サー!」


「40にもなって婚約破棄か! もう作家になるのを諦めたらどうだ!?

 書籍化なんて、貴様には縁のない話だと気付いてるんだろ?」


「自分はアニメ化を諦めません!」


「ざまあだけして、結末まで書かない礼儀を弁えん奴! きっちり見張るぞ!!」


「文章力を間違えて脂肪に置き換えた間抜けがいるらしい!」


「サー、イエッサー!」


「貴様の文章を見たら胸がムカムカする。

 まるで前についたケツからクソを垂れ流しているようにな!

 名前はクソデブか!?」


「サー、ローレンスであります。サー!」


「ロレンス、ロレンス。アラビアのロレンスか!?」


「サー、ノー、サー!」


「気品ある名だ、タイトル10文字以内の意識高い系の作品を書くのか?」


「サー、ノー、サー!」


「響きが気に食わん。

 脂肪と気品を練り合わせたような響きがな。

 今日から微笑みデブと呼ぶ!」


「サー、イエッサー!」


「そんなに俺の顔がおかしいか? デブ二等兵」


「サー、ノー、サー!」


「その気色悪い笑みを消せ!」


「サー、イエッサー!」


「三秒やる、間抜け! でなきゃ貴様の文章を夜のおもちゃにしてケツ○○○だっ!!」


「やっています…………できません」


「席に座れ、クズ肉!!

 筆を取り書いてみろ」


「誰がチート転生を書けと言った! ポケ! 貴様が連ねるのは永久(とわ)に芳しく情緒溢れる美しい詩文だ! 別のを書きたいのか?」


「サー、イエッサー」


「なら大声を出せ! ステータスオープン!!」


「ステータスオープン!」


「ふざけるな もっと声をだせ。タマ落としたか!!」


「ステータスオープン!!!」


「よし起立!!

 いいか! 貴様も毎分投稿だ!

 さもなきゃ再びポエム地獄だ!!」


「サー、イエッサー!!」


「よし! 洗脳完了!!」





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