第156話 BBQ後

思いの他BBQを堪能してしまったので、孤児院に行くのは明日にすることして、現在は薬師ギルドにてテルフォンを借りている。


始まりの町デビュアータの商業ギルドへ連絡をして、オーブン付きコンロをや泡立て器にトングを転送魔法陣で送った。


「なるほど。これは食事を提供している店や貴族の厨房に売れるだろうな。」


「注文が来たら作るという形にしようと思っているので、注文が来てからソルシャンのヴァルカンさんに頼めば売れなかった時に在庫を抱えるなんてことにもならなくて良いかと。」


調理器具の使い方説明したら売出し方法等を話し合う。

カイロ等、商会の品の在庫は私の作って置いて来た物がまだまだあるから暫くは大丈夫なのだそう。


結構な量を作り置きしてきたからね。


「こっちでは君の商会の品が順調に売れているよ。特にカイロは老若男女に人気だね。うちのイルマも愛用している。今年の冬はカイロがあるおかげで、町の人達は冷えの悩みが和らいでありがたいと言っていたよ。」


現在、生産ラインを整えている最中だけど、働きたいと言ってくれている人は結構いるそう。

ただ、高齢の方が多いから春になって町の行き来がしやすくなったら若い働き手も募集するそう。


因みにエドガーさんとイルマさんのご両親も立候補してくれているらしい。

ありがたい。


カイロは領主のマチルダ様もお気に入りでよく購入してくれているのだとか。

なんでも貴族のお付き合いなんかで正装としてドレスを着なきゃいけなくても、カイロのおかげで寒さが和らぐので助かるんだって。


確かに真冬にドレスは寒そう。貴族のドレスはガッツリとコルセット締めていかに細く薄く見せるかみたいな感じらしく、冬でもドレスの布地を薄めにしてぼってりと見えないようにしている人も多いとか。


おしゃれは我慢ってどこの世界でも共通なのかしら?



他にも、水を汲みにいく手間のかからない水が湧き出る桶や石鹸に化粧水なんかもなかなかに人気なのだとか。


商会の話をしていたらすっかり日が暮れてきたのでキャンプ地に戻って夕飯。

昼間がっつり食べたので私は軽めに済ませたけど、ヴィヴィ達は夜もガッツリと食べていた。


従魔達1回の食事で2〜30Kgの食材がなくなる食欲は凄いよなぁ。体が大きいヴィミエナは勿論、最近また大きくなってきたヴィヴィもよく食べるし、モモも体のサイズに似合わずよく食べるからねぇ。

シリウスも大きくなってきたらもっと食べるようになるだろうし、この街にいる間にチーボアイでお野菜と主食系は沢山ゲットしておこう。





女神様達のお供え用には昼間の調理器具を試した時に作ったものをいくつかマジックボックスに入れて持って帰って来ていたのでそれらを並べて用意した。


BBQの串焼きとかに合うからお酒もつけておこう。

ワインは木樽で熟成させるイメージが強いので木の樽で用意。これなら量も結構入るしね。

ビールと日本酒はガラスで600mlくらいの瓶を作って、それぞれ人数分注いだら準備完了。


「女神様達に頂いた加護に感謝を…今日は新しい調理器具を手に入れたのでそれらを使って作った料理です。料理に合うと思うお酒も一緒につけましたので、どうぞお納めください。」


いつのもように皆でお祈りをすると用意したお供え物はきれいに消えていた。

毎回消えているけど、ちゃんと女神様達に届いているのだろうか?


届いていると信じよう。

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