第146話 10階層

モンスタートレインの報告は剛毅の守り手の皆さんに任せて、やって来ました10階層!!


そこに広がるのは白い砂浜に海!海!海!


ここ地下10階ですよね?


ダンジョンの謎に驚きつつも浜辺を歩きながら他の冒険者がいない場所へ向かう。


調理器具の出来上がり期日も近いので、今回は浜辺や岩場あたりで貝を中心に採取したら帰る予定だったんだけど…


「2mのカニ?!1m超えのホタテー?!てかなんでホタテが海中じゃなくて砂浜に潜んでるの!水無いところでも大丈夫なの?」


浜辺沿いに進んでいたら2mくらいの大きなカニの魔物、ロッククラブが海中から勢いよく飛び出して来るわ、砂浜からこれまた大きなホタテの魔物ギガントスカラップがいきなり貝部分を開いて襲ってくる。


なんでそんな巨体で浅瀬と砂浜にいるの?ダンジョンだからポッと出てきたりするものなの?!


じゃなきゃロッククラブは絶対に浅瀬から体が出て見えるはずでしょー!!


「サンダーバレット!サンダーバレット!!」


雷の魔法を放って追いかけてくるロッククラブとギガントスカラップを倒す。


他の冒険者の居る浜辺にはこの魔物達は出ていない様なので、ここがこの魔物達の縄張りなのかもしれない。



ふう、襲って来た奴等は全て駆逐してやったぜい。




「驚いたけどこれでカニとホタテゲットだぁ。」


倒した魔物はそれぞれ大きなカニの身と大きな貝柱になってドロップされたので、それをアイテムボックスに収納したら場所を移動する。


大きなカニとホタテの魔物のため数匹分でも結構な量を確保出来たのでホクホクだわ。


その後は小さめな貝を採取していく。これは野菜たち同様、そのままの姿で持ち帰れるみたい。


『みゃふ!』

『わふ!』


ヴィヴィとシリウスが波打ち際で一心不乱に掘り堀りした場所から15cm程のアサリことビッグクラムが出てきた。


「おぉ、大きなアサリかあ。アサリご飯に味噌汁、酒蒸しも良いなぁ。ヴィヴィもシリウスも見つける上手だねぇ。すごいすごい!」


『みゃふぅ』

『わふぅ』


2匹を褒めると、にぱぁっと笑った様な表情をした後、また獲物を探しては堀り掘りを繰り返し、褒めて褒めて言わんばかりにこちらを見つめてくる…くそう、かわいいなぁ。




『サクラ戻ったぞ。』

『ぷりゅりゅ』


ロッククラブとギガントスカラップをゲットした後、ヴィミエナとモモは浜辺の更に奥の方へと散策に行ってくれた。


気配察知で他の冒険者がいない事はしっかりと確認したので大丈夫。


向かってもらっていたのはサスペンスドラマの犯人を追いつめるシーンに良く出てきそうな海沿いの崖。


そこからギリギリまでヴィミエナが崖を降り、モモが釣りをしてくれたそう。

釣竿は勿論クラフトの魔法で作ったもの。


うちの子達マジで優秀過ぎる!


「おかえりなさいヴィミエナ!モモ!こっちはヴィヴィとシリウスが頑張ってくれているから結構とれたよ!」


『こちらも幾つか捕えて来た。と言っても我は竿を持てぬゆえ殆どモモのおかげのような気がするがな』


「そんな事ないよ!あの崖を降りたり登ったり出来るって凄い事だもん!!」


2匹をしっかりと褒めた後は、モモに渡しておいたマジックバックを受け取って中身を確認していく。


まずはコーラルシャーモン。死の森にいたシャーモンよりかなり大きく1匹でも結構な量の切り身になってる。


次にメガシュリンプ。こちらは巨大なエビで2mくらいある。

こちらは頭と殻を取った状態でドロップするみたい。頭と殻は良い出汁が出るからついたままでも良かったけど…。

でも夢の2m海老フライ…作れる揚げ物鍋が無いじゃん!


そしてエクストラマーグという3m近い巨大マグロの魔物!これが1匹と半分。


これはそのままの姿で持ち帰れたの?うん?半分?尾の方が無いよ?


『そのエクストラマーグを釣っていた時に食いつかれたんだ…』


「何に?」


『ぷーりゅー!』

『シーサーペントだ』


「へっ?」




シーサーペントーー?!

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