第145話 モンスタートレイン解決!
「本当にケオトートティーガなのか…冒険者をやって結構経つが本物を見たんは初めてだ。すげぇ。」
ハロルドさんがヴィミエナを見ながら感動している様子だけれど、ミノタウロス討伐の話は進めていくよ!
「私はDランク冒険者のサクラです。この子は私の従魔のヴィミエナ。ミノタウロスなら彼女が倒してくれるそうなので大丈夫です!」
「本当に…いや、ケオトートティーガーならミノタウロスを倒すのは可能か…。すまないが俺達も一緒に行かせてもらっても良いか?彼女がいるのなら俺達は戦力外だろうが、ケオトートティーガの戦闘なんてなかなかお目にかかるものではないからな。」
「大丈夫ですよ。じゃあ、ヴィミエナ宜しくね!」
この人達はテイマーである私に対してあたりが強くないのでありがたいなぁ。
こうしてヴィミエナを先頭にセーフティエリアから外に出るとセーフティエリアの入口を囲む様にミノタウロスが3匹待ち構えていた。
3匹のミノタウロスが手に持っている武器を振り上げた瞬間、ヴィミエナの周りの魔力がいつもより大きめに揺れた。
次の瞬間、目に見える程の巨大な風の槍がミノタウロスの頭上より落とされた。
3匹のミノタウロスは頭から風の槍で貫かれ地面に崩れ落ち、ドロップ品のお肉の塊となった。
「ヴィミエナー!格好よかったよー!すごい!!」
ミノタウロス3匹を一瞬で仕留めたヴィミエナの顔をヨシヨシと撫で回す。
ヴィミエナも撫でる私の手に顔をスリスリしてくるのがかわいらしいのよ!
普段子供達の手前、甘えるのを我慢しているヴィミエナなので、こういう時はここぞとばかりに甘やかすよねぇ!
「すごいな…ミノタウロス3匹を一瞬で…。」
「俺達の覚悟がこうも簡単に…」
フランさんが呆然と先程まで魔物であったはずのドロップ品のお肉を見つめ、バルダットさんがヴィミエナを見つめながらつぶやいた。
とりあえず、ミノタウロスのモンスタートレインは解決!
その知らせを受けたセーフティエリアで騒いでいただけの人達は我先にとセーフティエリアを出ていく。
命が惜しいのは勿論わかるけれどなんだかなぁ。
「今回は本当に助かった。ありがとう!俺達は怪我したこの娘をダンジョンの外に連れて戻るが君達はどうするんだ?」
「せっかくここまで来たので10階層で海鮮をちょっと採取してから帰ろうかとは思ってたんですが…。」
「そうか。そういえばちゃんと自己紹介していなかったな。俺は
「良いんでしょうか?」
「何か起こった時に代表で報告するのは上級冒険者の責務でもあるのよ。気にしないで。」
「その代わり、戻って来たらギルドに話を聞かれるかもしれないね。」
「ミノタウロスを倒したのがお前さんの従魔だからな。」
「俺達は豊穣の木って宿に泊まっているから何かあれば来てくれ。」
「ありがとうございます!」
バルダットさん達にお礼を言って10階層に向かう事にする。
行く前に、傷口は塞がったが意識が戻っていない少女を安静に運べる様にとクラフトで担架を作って剛毅の守り手に渡しておいた。
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