第142話 モモ無双からのミノタウロス部屋

やって来ました、食材ダンジョン・チーボアイの9階層!


9階層も8階層と同じ様な石壁に囲まれた遺跡の様な作りの階層だった。


結論から言いましょう!!


モモ無双です!!


モモのレアリティキャッチのスキルは9階層に来てからも問題なく発動し、キラキラの跡とやら(どうやらビッグカウの足跡が光って見えるらしい)を追うことでビッグカウが何匹も見つけられてしまった。


おかげでお目当てのビッグカウのお肉は15個、ミルクは5缶ドロップでゲット出来たよ!


何故ミルクが集乳缶に入ってドロップされるのかはツッコまないぞ!


持ち運びにも便利だからって優しさよね?


ダンジョンに優しさもクソもないだろうけどさ…。


なんて、ひとり心の中で忙しく自問自答しているうちに、ヴィミエナが周りにいるジャイアントブルやレッドブルも狩ってくれていて、着実にお肉を獲得している。


残るはもうひとつのレア魔物、ミノタウロス!


セーフティエリアの少し先にミノタウロスしか出ない部屋というのが存在しており、腕に自信の有る者はその部屋に入りミノタウロスに挑むのだそうだ。

こちらは倒せる人が少なくてレア度が高い魔物の様。


この部屋のミノタウロスは倒されても一定時間を経過するとリポップするので、部屋の前には複数の冒険者パーティーが並んでおり、自分達のパーティーだけで挑む者、数組のパーティーで協力しあって倒す者と様々な様子。




私達はというと…やって来ましたミノタウロス部屋!


皆がセーフティエリアで寝静まる真夜中に!


ここがダンジョンの外と同じ様な日の出かた沈み方をするので、日が沈む頃には暗くなる。

そのため皆がセーフティエリアに移動し休むので、この時間はミノタウロス部屋の前には誰も居ない。


これなら順番待ちもないし、倒したら一度部屋を出てその場で待機しながらミノタウロスのリポップを待てば良い。


なかなか良い案だと思うんだ!



部屋の中を覗けば1匹のミノタウロスが手に斧の様な武器を持ちながらウロウロと歩き回っている。


「ミノタウロスの強さはどう?ヴィミエナならいけそう?」


『あれなら問題ないだろう。というかサクラも平気で倒せるだろうに。』


「まぁ、女神様達の加護が有るからいけるんだろうけど…。」


『ここは他の冒険者もそれなりに動いているから目立ちたくはないということだな。』


「そのとおり!こんな夜中じゃ殆どの冒険者達がセーフティエリアで休んでると思うけど、見られるかもしれないからここは慎重にね。ヴィミエナが強いのはケオトートティーガだからで問題ないけど、私の場合は聞かれたら面倒臭いからねぇ。」


という事で、ミノタウロス討伐はヴィミエナにお任せ!!


『素材の傷を気にしなくて良いのなら一撃だな。』


ヴィミエナの足元からふわりと風が起きたかと思うと、風の刃がミノタウロスの首を一撃で落とす。


まさに一瞬だ。


ドロップされたお肉の塊は1mお超える程の大きさで、見事なサシの入った霜降りのお肉だった!


「おぉ〜これはテンション上がるやつー!」


ルンルンでお肉の塊をアイテムボックスにしまったら、一度ミノタウロス部屋から出る。



リポップ時間はマチマチの様で、15分程で復活する事もあれば1時間程かかることもあったけど、従魔の皆とお喋りしたり夜食を食べたりしてすごせばあっという間だった。



結局一晩で15匹分のお肉の塊をゲット!



「今回はこのくらいで良いかなぁ。調理器具完成まであと2日だから明日、というかもう今日だけど、10階層をちょっと探索したら帰ろうか。バーベキューするなら海鮮も少しはゲットしておきたいもんね〜。」




夜中のミノタウロス部屋チャレンジから戻り、セーフティエリアに張ったテントで睡眠を取って起きる頃には、ダンジョン内の1番高い位置に太陽があった。


チーボアイに入って8日目のお昼くらいだろうか。



ご飯を食べ終え、いざ10階層へと準備をしていたところにと、ある冒険者パーティーが駆け込んで来たのだった。

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