第135話 念願の米!!

米がスイカサイズのタンポポ色の実に入って、木になっているという衝撃事実を知った訳だけれども、そんな事はどうでも良い!


ついに、ついに米が手に入ったー!!


「米の実なんてあんなに採ってどうするんだ?」

「テイマーだから家畜の餌が必要なんでしょ?」

「ありゃ金にならんし取るだけ無駄だもんなぁ。」


米の実を風魔法で落として採っていたら、あちこちからヒソヒソと声が聞こえたけれど気にしない。


いや、うちの子家畜呼ばわりした奴の顔はしっかりと覚えたけどね?




辺りに実っていた米の実を全部採取したら私達もテントを建てる。


建てたテントの中で早速魔法を使って米の籾殻を脱穀して糠層も除去。精米を風魔法でぱぱっと済ませたらテントから出て夕飯の準備。


せっかく米が手に入ったのだから米を炊こう!


米を水魔法の水で洗ったら水につけて1時間ほど浸水させる…のは時間魔法でぱぱっと時短。


鍋に米と水を入れて蓋をして火にかける。沸騰したら中火で2分。その後、弱火にして7分から10分。水分がなくなったら最後に強火にすると鍋底に溜まった水分が蒸発してべちょっとしてないご飯になるしおこげも作れる!


そんな念願のご飯の上に乗せるは、オニオーンのスライスを出汁、みりん、醤油、砂糖で煮たところにオークキングのお肉で作ったカツを入れて卵でとじる…そうカツ丼!!


カレーライスも食べたかったけど、飯テロな匂いがこのエリアではいかん気がするのでやめておく。


魔法で匂いとか遮断する結界とか作れるかな?後で試してみよう。


ほほれんそとののきのお浸しにキャロジンとゴーボンのきんぴら、なめっこの味噌汁も用意したら夕飯の出来上がりだ!


まずは加護をくださった女神様達6人分のご飯をよそったらお祈りタイム。

周りの人達に見られないようにテントの中でお祈りをする。


お祈りが終わったらいよいよ待ちに待った米料理ー!


カツ丼もカレー程ではないけど良い匂いがするので、周りからチラチラと見られはしているけれど、そんな事よりこの世界に来て数カ月…やっと米が食べられる方が私には大事!


「う〜ん。やっぱり米は美味いなぁ。」

『ぷりゅぷりゅー』

『みゃうみゃみゃん』

『フシュ〜』

『わふわふぅ』

『粒粒が不思議だがこれは美味いな。この汁を吸った米も美味い。』


丼物はつゆだくも美味しいよねぇ。


ちびちゃん達もヴィミエナもカツ丼に大満足してくれたようで、皆おかわりしてくれた。


私も勿論おかわりしたけど!


この世界に来て初めての米料理に大満足したら食器の後片付けをして、皆にクリーンの魔法をかけてからテントでモフぷにからの就寝。


「明日は米の実を探して沢山採ろう!食べたいお米料理はまだまだあるからね。」


『あれだけ美味かったからな。我らも手伝う。沢山採っていこう。』


ヴィミエナはだいぶご飯が気に入ったみたいだからここで沢山採っていこう。


まぁ、冬があけるまではまだまだ時間があるし、ちょこちょこチーボアイに来てストックを増やしておくのも良いかも。


結局、チーボアイに入って2日目と3日目は4階層で米の実を採って回って過ごした。


ダンジョンは時間差はあるけど、ある程度の時間が過ぎると採取した食材達がまた元の様に生えて来るのだ。


薬味型の野菜は早いもので数時間、キャベタなどの大きめな野菜は次の日になればと、食材によって違いはあれど、アニュラさんの言う通り次の日には絶対にまた生えてくるみたい。


米の実は大きめだけど半日くらいでまた実ることがわかったので、米の実を採る→炊く→アイテムボックスに保存するを繰り返し、いつでも炊きたてご飯が食べられる様にしておくんだ!

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