第127話 職人通りの鍛冶職人
調理器具ゲットの為に職人通りの鍛冶職人さんに声をかけて回るが、そう事は上手く運ばない。
「この俺様に武器以外の物を作れだと?!」
「鍛冶職人馬鹿にしてんのかぁ?!」
「私をこの道の権威と知っての愚行かい?」
「何故、お前の様なテイマーごときに俺が腕を振るってやらにゃならんのだ。」
などなどなど、十数件回って大体こんな対応…。
確かに鍛冶職人に武器じゃないものを作ってくれと言うのは失礼なことかなとは思うけど、怒鳴らなくても良いじゃん?馬鹿にしなくても良いじゃん?
因みに、鍛冶職人に武器以外の物を頼むな!武器以外の物を作るか!と怒るのはドワーフの職人さんが多い。
身長は低めだが、ガッシリとした体型と筋肉に蓄えられた立派な髭が特徴的で武器作りに誇りを持っているザ・職人って感じ。
反対に自分の腕を自慢しつつ、人を見下した様に何故あなたの為に私が腕を振るわなければならないのかとか、テイマーに振るう腕はないとか言いよるのは圧倒的に人族が多かった。
もう少し頼んでみてだめなら鉱石を買えないか調べて自分のクラフト魔法で作るしか無いかなぁ。
何件も何件回って今立っているのは立派な店構えの周りとは違い、質素でこじんまりとしたお店。
職人通りの奥にあり、殆ど人の往来も無いし客の出入りも無さそうな所なんだけど…とりあえずは交渉だな。
「ごめんください。」
今にも外れそうな扉を開けて店内に入る。
「なんじゃお前さん。何か用か?武器なら作らんぞ?他をあたれ。」
店の中には白髪混じりの髪と髭をしっかりと蓄えたドワーフのおじさんが椅子に腰掛け何やら道具を磨いていた。
武器は作らんとはどう言う事?まぁ、私の作って欲しいのは調理器具なので武器は頼む気無いんだけど。
「えぇっと。武器じゃなくて特別な調理器具を作って下さる職人さんを探しているのですがお話だけでも聞いてもらえますか?」
「調理器具だと?」
ドワーフのおじさんの眉間に皺が寄る。
やっぱり難しいかなぁ。鉱石を融通して貰う事は出来るかな?出来たら自分でクラフトしよう。
そんな事を考えていたら店の奥からバタバタと足音が聞こえた。
「あらお客さん?!まぁ、珍しい!ようこそカーバンクルの鍛冶場へ!」
奥から出てきたのはドワーフのおじさんより更に小柄なドワーフのおば様。黒髪のドレッドヘアをお団子にしてまとめた笑顔が素敵な方だ。
それに看板はかかって無かったけど、このお店はカーバンクルの鍛冶場と言うのね。
かわいい名前!
でも店名に鍛冶場ってつくのに店主さんさっき、武器なら作らんって言っていた気がするんですけど?
「やめろソアレ!店は終いだ。そう言っただろう!」
「じゃあ、どうやっておまんま食べて行くんだい!!金は何も無い所からは湧いてこないんだよ?!」
ソアレさんと呼ばれたドワーフのおば様が机をパシパシ叩きながら大声を出す。
なんか喧嘩勃発な感じです!!
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