第110話 シリウス

『わふわふぅ。』

『みゃみゃん。』


2匹がジャイアントゴートのミルクを飲み終えたあとは皆でお話し合い。


お話し合いと言ってもこの子供フェンリルを仲間に入れる事は満場一致で決まっているし、この子も一緒に行く事を了承してくれている。


なので従魔契約と名前を付けるという話。


「あなたの名前はシリウスよ。シリウスは私の居た世界で最も明るい星の事なの、あなたがフェンリル族の明るい星である様にって思いを込めて。じゃあ、改めてよろしくね。」


『わふ!』


私達を淡い光が包み込むと私の手首に白と薄い水色の雪花模様、シリウスの額には薄い朱色のテイム紋が現れた。手首の模様の線は全部で5本になり華やかなブレスレットを付けてる様な気分。



【名前】 シリウス

【種族】 フェンリル(変異種)  (食用不可)

【年齢・性別】 0歳 (♂)

【レベル】 1

【体力】  280

【魔力】  50

【攻撃力】 50

【防御力】 60


【 スキル 】

風魔法

氷魔法

星属性魔法

身体強化

物理・魔法攻撃耐性


フェンリルの変異種。星見を司るレア魔法の星属性魔法が使える。高い氷魔法を操りスピード力と瞬発力は魔物の中でもトップクラス。


鑑定の結果まだ0歳との事。このフェンリルの子供シリウスは赤毛のハスキー犬って感じ。ポテポテとした歩き方がなんともかわいらしく、モフモフ具合もたまらない。


シリウスが仲間になった事でヴィヴィが少しお姉さんっぽく振る舞い始めたのもなんともかわいらしい。




シリウスをおんぶ紐でおぶってヴィミエナに乗り、目的地であるソルシャンの街を目指して再出発!


馬車等が通る街道を通らず森を移動していたのはヴィミエナ達が思い切り走れるようにする為と夜に死の森の拠点に転移しやすいから。


途中、気になる植物の採取や魔物の討伐も忘れない。


この森ではオークとレッドボアと梟の頭をした熊、アウルベアのお肉を中心にゲットしながら進むこと4日。

馬車で6日は掛かると言われていた道のりを、だいぶ寄り道しながらでも馬車より少ない日数でたどり着けたのはヴィミエナ達さまさまだなぁ。


しかもシリウスという可愛らしい仲間も増えたのだから、大人しく街道を通って来なくて正解だったと思う。




アリマーン領の関所を超えると一気に賑やかになった。

人の数も増え活気に満ち溢れている感じ。ソルシャンの街はもっと賑わっていた。


食材ダンジョンの有る街だからか、自然をイメージさせる様な木目調の壁に緑系統の屋根で統一された温かい感じの街並みだ。


ダンジョン都市なだけあって、人も多いし、街も結構大きい。ちらほらと人族以外の種族であろう人達も結構居る。


なんか益々楽しみになってきた!



街の門番にテイマーかと若干嫌そうな顔はされたけど、街にはすんなりと入れてもらえたので第1関門は突破!


第2関門は冒険者ギルドでシリウスの従魔登録をしてもらうこと。


ジロジロと目線は感じるけれど、とりあえず堂々と歩く。舐められない様にとイルマさんに教わった事を思い出しながら。


たどり着いた冒険者ギルドも昼時だというのに混雑していた。

ダンジョンに挑んでいる冒険者が思った以上に多いみたい。


とりあえず受付の列に並んで順番を待つ。


さあ、ソルシャンの街の冒険者ギルドでテイマーの扱いはいかがなもんでしょうねぇ。

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