第108話 次の街へ!
商会の品の在庫OK。
食材の買い出し、確保OK。
動物の刺繍バックを買ったお店の店主(トーナさんっていうの)との旅立ち前最後のモフモフ談議も心ゆくまでしたのでOK。
そんなこんなで、準備は整った。だいぶ寒くなったけどまだ雪が積もる程ではない。
次に向かう街で冬を越すつもりなので良い所はないか皆の意見を聞き、次に行くのはダンジョンの有る街に決めた。
アリマーン領ソルシャンの街。
ここにはなんと食べ物しか出ないダンジョン、チーボアイがあるのだそう。
食べ物しか出ないダンジョンとか夢のようじゃない?テンション上がる!!
「チーボアイは難易度はさほど高くないが階層毎に採れる食材が違うのが面白いぞ。食が好きなサクラにはピッタリじゃないかい?」
「はい!冬の間散策しまくります!新しい食材に出会えるかもしれないし楽しみです!!」
米!米は無いかな?!!トマトとか里芋とか茄子とかにも出逢いたい!!
「新しい料理やソースを作ったらギルドに登録するのを忘れないでね!!」
「ソルシャンに着いたら冒険者ギルド経由で連絡するんじゃぞ。」
「寂しくなるのぉ。」
「バロと一緒に爺ちゃんのお手伝い頑張るから、また帰ってきてね!」
「助けて貰ったことは忘れないっす。もっと精進するっす!」
「命の恩人である君達には本当に感謝しかないよ。貰ったアイテムを使わなくても良いように俺達も強くなれる様、励むとするよ。」
「次この町にサクラが戻って来た時に驚かせられるくらい強くなっておくよ。」
「またチェリやマーリアにも会いに来てくれ。君ならいつでも大歓迎だ。」
『クウェ!』
「サクラちゃんが魔物に殺られる事は無いでしょうけど、健康には気をつけてね。」
メリアさんとメリアさんに抱っこされたマーリアちゃん。
ギルマスのヘルマンさんにオランドさんに孫のアリーシャちゃんと従魔のバロ。
フィン君、ナバスさんにマリリンさん。
マイトさんと、その肩に乗ったチェリちゃん。
イルマさんと旦那さんのエドガーさん。
皆が門の外まで見送りに来てくれた。2ヶ月ちょっとの滞在だったけど楽しかったなぁ。
「サクラ君の商会の担当は創造の守護者メリーだと言えば大抵の街の商業ギルドでは通じるから伝えるといいぞ。」
小声でエドガーさんに言われた言葉。メリアさんってマジで何者?
「家が有るのだ。いつでも帰ってくるといい!家も商品も管理は責任を持って行うから案ずることはないぞ!」
「マチルダ様にも貴族対応丸投げしてしまって申し訳無いです。宜しくお願いします。」
「何、サクラがこの町でしてくれた事に比べればこれ位どうということはないさ。それどころかこの町はそう簡単に潰れないと、バカにした貴族共にアピールするチャンスが貰えて有り難いくらいだよ。」
領主であり、貴族でもあるはずのマチルダ様も見送りに来てくださっていた。
大笑いしながら肩をバシバシされたけども。
この方は、生まれた家柄や騎士として男性より強いから気に入らないという様な残念すぎる理由のせいでこの地に厄介者払いされて来た貴族の方だとは聞いていたけど、逞しく美しく格好いいよなぁ。
町を良くするお手伝いがちょっとでも出来てたなら良かった。
「皆さんありがとうございました!!また絶対に戻って来るのでその時は宜しくお願いします!!」
「「「行ってらっしゃい!!」」」
皆に手を振ったらヴィミエナの背に乗って歩き出す。
さあ行くぞ!待ってろ食材ダンジョン!!
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