第106話 在庫確保

商品化する事の決まった物の作り方指導、安全性テストが始まったそうな。


ひとまずは商品をしっかりと作れる者の育成と確保に力を入れてもらい、しばらくの間、販売する商品は私が全て作る事で話が纏まった。


とりあえずこの町だけで販売し、供給量が安定して確保出来るくらいに生産者が育ったら他の街にも売り込んでいく。


販売価格は低めに設定してもらった。少しでも多くの人が買えるようにしてもらいたいからね!


だからといって生産者を低賃金で雇うことはしないつもり。これの解決策もちゃんと考えているから大丈夫。


てなわけで、森に籠もってクラフトで商品をサクサクっと大量生産中。


冒険者ランクも上がったのでそろそろ他の街を目指してみたいんだよね。この町の人はやさしいし好きだけれど、せっかく異世界に来たのだから色々と見て回りたいし、本格的に雪が降る前に次の街へ移動したいので私がいない間の在庫もと思って沢山作ったよ。


死の森の素材を使って作った、貴族用としてちょっと装飾を派手めにした物も用意。

こちらは数を少なめにして希少価値を付けていく。


貴族は特別感のある物を手に入れることがアイデンティティーとなっている者もおり、平民と同じ物ではなくちょっと高級な物として売りに出すと良いとは領主マチルダ様のお言葉だ。


その為、化粧水や美容液の入れ物は丸みを帯びた色付き瓶にして、蓋はバラの花をかたどったものにしてみた。シャンプーとトリートメントは縦長のすらっとしたシンプルな瓶にカットグラスの技法で色々な文様を施した。


入れ物だけでもだいぶ高級感があると思う。


石鹸は花の香りを付けてみたり、売りに出すときの梱包も専用ケースに入れる等の特別感をだす。


貴族への販売はマチルダさん経由でお願いしてある。マチルダさんが信用たると判断した貴族にのみ売ってもOKとし、マチルダさんの紹介が無ければ買えないという、ようは一見さんお断りシステムである。


因みに庶民向けはシンプルな色違いの瓶で蓋はダイヤっぽい形。石鹸も麻袋に入れて渡す。

庶民向けは次買うときに瓶だけ持って来れば中身だけ詰め替えって事でその分安くするシステムに出来るかな?

メリアさんに聞いてみよう。


ひたすらに作った販売商品の在庫は私が空間拡張魔法の練習で作ったマジックバッグの中に種類別に収納し、メリアさんに預ける。


「時間停止機能の着いたマジックバッグがこんなに…。これだけで恐ろしい金額に…。」


メリアさんにくれぐれもマジックバッグを作れる事は隠すようにと念を押された。


そういえば、イルマさんにも同じ様な事言われたわ…気をつけよう。


販売商品とは別に関所の方にも差し入れを入れた。


死の森からの逸れ魔物が今回の様に複数だった時の為にコカトリスの素材から作った石化袋。


石化袋が当たった場所から石化していくアイテム。

素材は駄目になるけど命には変えられない。

使う人がかかってしまった時の為に石化を回復させる緑ポーションも一緒に入れておいたから大丈夫でしょう。



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