第101話 安心安全第一!
「はい!新しい冒険者カードはこれよ!ランクアップおめでとう。」
イルマさんに渡された新しいカードは色が緑色だった。
冒険者カードは薄い茶→茶→黄→緑→青→紫→赤の順にランクが上がるごとに変わるんだって。
「冒険者ランクの手続きが終わったなら今度は私の番だ。キュクロプスとの戦闘時に変わった物に乗っていたと耳にしたのだが、それはまた新しい発明品かい?商品登録はした方が良いんじゃないかい?」
エドガーさんにめっちゃ良い笑顔で言われてしまいました。
「空中を走る板の乗り物か。また凄い複雑な魔法陣が書かれているね?!これならそう簡単に真似はされないだろうけど、商品登録はしておこう!!出来れば作り方も売って欲しい所なんだがどうかな?!」
とりあえずホバーボードをエドガーさんに見せてみたらこの反応。
商業ギルドは各街や国ごとにどれだけ良い商品が登録されるか水面下の争いがあるんだとか。因みにこの町は下から数えた方が早いくらいだそう。
「元々これは従魔達と思い切り遊ぶ為に作った物なので売り出す気は無かったんです。素材も本当は軽めで丈夫な金属製の物で作りたかったですしね。」
「そこをなんとか!!この乗り物が有れば、冒険者達の活動の幅も広がるし画期的な発明だと思うんだ!」
めっちゃ真剣にお願いされてしまった…。
ホバーボードは本当に自分の為に作っただけで売り出す気はなかったし、誰でも手に入れられる様になって盗賊とかに使用されたりするのは嫌だしなぁ。
「もしどうしても商品化したいと言うのであれば、私の物より最高速度は遅くすること。販売はせずに各ギルドからの貸出しにすること。1つ1つに登録番号を付けて誰にいつからいつまで貸出すのかしっかりと管理すること。万が一の為にボードを決められた場所に戻す返却箱を作って一定期間返却されなければ魔法陣が作動しなくなりただの板になる様にすること。この作動しなくなる魔法陣は作れるか私が試してみますので製品化するかはそれからということにしてください。」
「そこまでするのかい?」
「しますよ?考えてもみてください。欲しい人みんなが買えるようにしたとして、盗賊や物取り等の犯罪者達がこの乗り物を手にしたらどうします?移動距離は広がるし、逃亡速度も上がる。便利だからと良い事に使う人だけではなく、悪い事に使う奴は必ずいると思うんです。自分が作った物が犯罪に使われるなんて嫌ですし、そうならない様に安心安全に使う方法を考えるのは当たり前です!」
「確かにその通りじゃな。あのスピードで盗賊共に逃走されては捕まえるのも大変じゃしの。新しい物好きの貴族共も自分のところのに先に売れだの色々と言ってきそうじゃしな。ここはサクラの提案をのんだ方良いじゃろうな。」
「なるほど。言われてみればそうですよね。考えが至らずお恥ずかしい。では、サクラ君のその考えで進めると言う事でお願い出来るかい?」
「了解しました。」
と言う事で、ホバーボードもレンタル商品化決定です!
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