第102話 報酬は…

ヴィヴィ達と遊ぶ為に作った空飛ぶスケボー基、スノーボードはホバーボードと呼んでいたのをフロウトボードと改める事にした。


だってホバーボードのままじゃ、私と同じ世界から来た従兄妹はじめとする転生者には転生者が作った物だってすぐバレるじゃん?


絶対に従兄妹とは関わりたくないので可能性の芽は摘んでおくに越したことはない!!


で、気を取り直して一定期間返却されなければただの板に戻る仕組みを魔法陣に組み込むべく試作品を量産!


数日試してみて上手くいくかを確認して、大丈夫そうなら商業ギルドと冒険者ギルド合同で貸し出しシステムを細かく詰めて行くことになった。




フロウトボードの試作テストをしている期間にも色々とあった。


まずは豪傑の戦士。


彼等は目の前で自分達を庇ってナバスさんが大怪我をしたのが相当こたえたらしく、大人しくしているそうだ。


デュートの腕の傷はポーションで塞がったものの、武器を振るうにはリハビリが必要ということで、彼等が受けていた依頼の幾つかは期限切れとなり違約金が発生。


違約金と言っても、この街の周りは死の森からの逸れ魔物が出ない限りはそこまで強い魔物が居ないことと、初心者冒険者が多いために違約金自体もあまり高額に設定はされていないそうだ。


今後、真面目に依頼を達成していけばちゃんと払い切れるだろうとのこと。


冒険者は続けて行くそうで、今までの態度が嘘だったかの様に冒険者の基礎から学び直しているのだそう。


あの日、関所でクリムゾンキングベアと戦い大怪我を負っていたフィン君は意識を取り戻し、日常生活は問題なく送れるまでに回復。

ナバスさんもしっかりと回復し見回り等の業務には復帰しているそうだ。



それから討伐したキュクロプスは食べられないし薬の素材になる訳でもなかったので、腕1本分の皮だけ残して後は領主のマチルダ様に献上した。


研究や町の為になる事に使ってもらった方が良いと思ったからね。




そして現在、私は町外れの一角にギルマスのヘルマンさんと一緒に来ている。


目の前にはくたびれた一軒家。


町を囲む塀のすぐ横に建つこの家は前の家主が出ていってから手付かずで放置されていたのだそう。


何故そんな一軒家の前に私が居るかといえば、この家含めた土地を逸れ魔物討伐の報酬として貰ったからだ。


買取に出せば金貨を1000枚近くの価値が有るというキュクロプスを献上したことも有り、領主マチルダ様から頂いた。


キュクロプスってそんなに高値で取引されるのかって驚いたよねぇ。

討伐報酬だけでも金貨700枚は行くって言っていたし、すごいなキュクロプス。

もう腕1本分くらい手元に残しておけば良かったかな?


見守り隊から私が泊まる場所がなく、夜にわざわざ町を出て野営している事も聞いていたため従魔達と気兼ねなく過ごせる寝蔵が有った方が良いだろうと用意してくれたのだとか。



「この家の土地内の物は好きにいじって良いそうだ。家もお主のクラフトなら好きに直せるであろう?お主が旅に出てもこの場所はお主専用スペースとして管理しておくから心配はいらんぞ。旅をしてこの国を周り、テイマーだからと言われ他で生き辛ければ、いつでもこの町に帰って来ると良い。」




と言う事で意図せずマイホームを手に入れてしまいましたよ?!!

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