第99話 元凶・1つ目の巨人
「領主様、マイトさん。今回、逸れ魔物がいつもより多かった話ですけど理由、多分ですが有ります!」
「それは本当か?言ってみよ。」
私は死の森の方を見つめる。
この関所からは死の森はそこそこ離れているけれど、気配探知の地図にははっきりと写っている一際大きな気配。
「死の森の方を。来ます!!」
ゾワっと森が揺れた気がした。
森から出てきたのは1つ目の巨人の魔物、キュクロプス。
右手には巨大な棍棒の様な物を、左手には血塗れのクリムゾンキングベアを掴んでいる。
「なんだあれは…。」
領主様の声にその場にいた全員が死の森の方を向きその魔力と殺気に後退る。
これだけ離れていてこれ程の魔力を感じるなら相当だろうな。
『キュクロプスか、また厄介なものを怒らせたな。奴は縄張り意識が異常なくらいにすごくてな。大方、クリムゾンキングベアどもが縄張りにでも侵入して騒いだのだろう。』
「ヴィミエナ、キュクロプスは倒せそう?」
『我だけでは無理だな。あれは本来なら群れで狩る。それもこちらから好んで狩る事はない。』
「じゃあ、私も手伝ったらいける?」
『サクラが手伝ってくれるならいけるだろう。』
「と言う訳だそうです!」
「と言う訳だそうですではないだろう?!危険だ!」
私の案は瞬殺で却下されてしまった。
「でもこのままではこちらに向かって来ますよ?」
「しかし…。」
『大丈夫だ。サクラは我が守る。まぁ、我が主は守られる程弱くもないがな。』
ヴィミエナに見つめられ大きく頷き返す。私のモフモフ旅をこんな所で終わらせる気はないからね!
「ヴィヴィはここでクリムゾンキングベアの素材をこのマジックバックに回収しながらみんなの護衛をお願いね。」
『み"ゃう"〜』
納得は出来ないけど自分の力ではキュクロプスに勝てない事は分かるのだろう、渋々ながら分かったとマジックバックを受け取ってくれた。
「じゃあ行くよヴィミエナ!」
『承知した。』
ヴィミエナとキュクロプスに向かって走る。走ると言いながらも私はホバーボードだけど。
近づけばその大きさに驚いた。5mはあるだろう。
『我が気を引いてる間に狩れ!!』
「了解!」
気配は隠密のスキルで消しているので、ヴィミエナが動きながらキュクロプスの気を引いているうちにホバーボードのまま足の後ろ側に回り込み、左足を斬りつける。
ガクンと膝をおったキュクロプスの首元にすぐさま移動。
腕を振り上げ棍棒を振り回そうとするキュクロプスの首めがけて思い切りラルジュナサイズを振り抜く。
ぼとりとキュクロプスの首が地面に落ちた…深めに斬りつけられればって思っていたんよ?!
女神様の武器の切れ味がヤバすぎるんです!!
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