第94話 豪傑の戦士、再び
「俺達が討伐依頼を確実にこなしている間、お前は相変わらずチマチマとお助け依頼か?そんなんだからそんなちゃっちい装備なんだろ?」
「そんなにはっきり言ったら可哀想よデュート。無駄にゾロゾロと連れてますし、食費を稼ぐだけでも大変なのよ。」
「そうよ。可哀想よ。私達みたいに色々と装備やアイテム買える程の余裕は無いのよ!」
何やら豪傑の戦士の皆さんが勝手に盛り上がっておりますが…付き合わなきゃだめこれ?
「ご心配どうも。でも大丈夫よ。これから寒くなってくるからその為の準備とかをしていただけで、食費も装備もご心配にはおよばないわ。」
「ふん。強がるな強がるな。俺達が冒険者指南してやろうか?」
「まあ、私達の強さの秘訣を教えるのですから授業料は頂かないとですけどぉ。」
「そうよ。そうよ!」
話が通じないのはもう分かってるけどさ!何これ?人のこと貧乏人扱いしておいてお金寄越せって言ってない?
そもそも君達の冒険者指南なんて受けたくも無いんですが?誰か助けて〜面倒くさいのに絡まれてます〜。
「おぉ、良かった。まだおったなサクラ。」
心の中で助けを求めていたら、ギルマスのヘルマンさんに声をかけられた。
助かったー!!
「評判は聞いておるぞ?ポーションにお助け依頼といつも助かっておるよ。どうじゃ、そろそろ討伐依頼を受けてみないか?まだ、1度も受けておらんじゃろ?お主なら1度でも討伐依頼をクリア出来れば冒険者ランクはGからFになると思うぞい?冒険者ギルドの職員全員から推薦じゃ。」
冒険者ランクアップ試験のお知らせでした。
でも、討伐依頼はそこに居る豪傑の戦士の皆さんが朝一番で根こそぎ持って行ってしまうから依頼無いんですよねぇ。
「討伐依頼の依頼書が無くなるのがいつも早いですからね。受けたこと無いんですよ。常時依頼の討伐でも大丈夫ですか?」
「おぉ、スライム以外の魔物なら大丈夫じゃぞ。ランクアップの実力は問題ないのは分かっておるが一応、依頼達成として結果を残して貰わんといかんのじゃよ。」
死の森の魔物を倒せるのはヘルマンさんは知っているもんね。
最低でもFランクにならないとこの町から旅立てないし、常時依頼のゴブリン辺りを狩って来れば良いかな?
「ギルマス!こんな新人にFランクは早すぎますよ!」
豪傑の戦士のデュートがギルマスであるヘルマンさんに言い寄っている。ヘルマンさんも渋い顔だ。
「お主らは豪傑の戦士の面々じゃろ?良いのかこんな所で油を売ってて。そろそろ依頼期限の危ない依頼が無かったかの?依頼が失敗なら違約金が発生するぞ?新人であろうとそこは甘く見んからの。」
「行きましょうデュート。こんなテイマーにかまってるなんて時間の無駄よ!」
「そ、そうだな。良し2人とも行くぞ!」
ヘルマンさんの言葉に慌てて森へ向かう豪傑の戦士の3人。
いや、勝手にかまって来たのそっちでしょ!
あやつらは相変わらずとヘルマンさんが大きなため息をついたその時、町の外から大きな音が聞こえた。
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