第93話 2度あることは…

クロリスちゃんパワーが働いた気のする高級品は、有り難く夕飯に頂く事にした。


ダイコーン、キャロジン、オニオーン、キノコとオークキングのお肉をたっぷり入れた豚汁ならぬオークキング汁と、ブラックサーペント肉の唐揚げ。


米が無いのが悔やまれるけど、めちゃくちゃ美味しい夕飯だった。


勿論、女神様達にもお供えしましたとも!



そんなこんなで、物作りや従魔と遊ぶ事に全力を注ぎつつも、町のお助け依頼をちょこちょことこなしたり。

非番のマイトさん達、関所メンバーとランチをして、チェリちゃんとモモ達を遊ばせてもらったり。

オランドさんとアリーシャちゃんとバロのところに差し入れをしつつ様子を見に行ったり。死の森の魔物の解体なんて滅多に出来ねぇんだからと喜ぶカルディナさんに面倒くさい魔物の解体作業を丸投げしたりと、あっという間にこの町に来て1ヶ月が過ぎてしまった。


そうそうゴミ捨て場の分別は領主様経由で町に浸透してきつつあるし、下水道清掃を楽にするための魔道具もちゃんと作って可動させた。


これで前より掃除が楽になるってことね!


数カ月試して問題が無ければ他領に売り込みに行くそうな。




あと1ヶ月で本格的な冬。

段々と寒さが増して来たそんなある日、冒険者ギルドに下級ポーションを買い取ってもらい帰路につこうとギルドの外に出たところで声をかけられた。


聞き覚えのある嫌な声にね。


「おや、暫く見ないから亡くなったのかとばかり思っていたよ。」


嫌味の主は、何故かいつも突っかかってくる豪傑の戦士の皆さん。


死の森の素材を買い取ってもらった金額が結構大きかったので、受ける依頼を少なくして物作りやら従魔と遊ぶことやら新素材探索やらに力を入れてたからあんまり冒険者ギルドには来てなかったから会わなかったんだよねぇ。


「私達の強さに恐れをなして逃げていたのでしょう?」


「大した装備も持ってないみたいだしぃ、とっくにくたばってるかと思ったよ〜。」


名前なんだっけ?この人達…あぁ、デュートとその腰巾着アーノルとユリアだ。


なんか散々な言われようだけど、そういえばこの人達に武器は見せたことないし、女神様の加護の物理・魔法無効化結界が有るから正直防具は無くても平気だからあんまりしっかりとしたのは着けていないな。


反対に豪傑の戦士の3人の装備は初心者冒険者にしては立派過ぎるくらいな気もする。


冒険者になりたてで高級な装備はなるべく避けておかないとカツアゲにあったり、盗賊に目をつけられる可能性も出てくるから防具は気をつけて選べ!とはイルマさんの冒険者講座で教わったことである。


また奮発したみたいだけど旅資金ちゃんと貯めてるの?





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