第83話 見守り隊
私達からだいぶ距離は取っているものの、明らかにこちらを付けているであろう2人の気配。
「これじゃあ下手に転移は使えないし、今日はこのまま本当に野営かねぇ。」
野営に必要な薪にする為の木材を拾い、食べられるキノコなんかも採取しながら森の中を移動する。
『殺意や嫌な気配はせんな。うむ。どうやら領主の命で尾けて来ているようだぞ。』
「ヴィミエナこの距離であの人達の声聞こえるの?!」
『身体強化を使えばな。』
100m程離れているだろうに…驚きのヴィミエナの能力。
そのお陰で私達を付けている人達の目的が分かった。
付いてきてるのは元冒険者のオッドさんとヤールドさん。
領主さんから依頼を受けて新人冒険者の野営を見守り、危険な事をしていないかをチェック、何かあったら駆けつけて守るという任務なんだそう。
この町で冒険者になった新人の野営にはこの元先輩冒険者の見守り隊が一度は必ず付くのだそう。何もなくても後にそれとなくアドバイスをしてくれるそうな。
何それ、めっちゃ過保護じゃない?!
でも、冒険者になりたての若くして命を落とす子を少しでも減らす為にって聞いちゃうと心配してくれてるからだし、巻いて逃げるのも悪い気がして…。
結局、尾行に気づかなふりをして良さそうな場所で野営の準備をすることにした!
今回の野営地は町の東側の塀にほど近い草原。
なんなら周りから丸見えな場所だけれど、これは冒険中の野営とは違い、みんなで泊まる場所が無いから町の外で寝泊まりしている体なので、良しとする。
場所を決めたら薪に火をつけ明かりと暖を確保する。
火魔法でいっきに点けても良いんだけど本日は見守り隊が見ているので、あんまり派手なことはしない方が良いだろうとレッドスライムの火属性成分を抽出して作っておいた着火剤を使う。
これも昨日スライム沼でこれから来る冬に備えて作っておいた物の1つ。
テントを建ててヴィミエナが寛げる用にタープとレジャーシート、ブラックグースのダウン毛布を用意。
続いて夕飯の準備。秋の始めといえど朝晩は肌寒くなるので今日買ったモウモのミルクでシチューを作る。
さっき森で拾って来たキノコはキングホーンラビットのお肉とバター醤油炒めに。
全粒粉パンをスライスして料理を全部並べたら完成!
因みに加護を下さった女神様達へのお供えとお祈りはヴィミエナが見守り隊さん達に見えないように壁となってくれてる間に済ませました!
みんなで美味しく夕飯を頂いたらクリーンの魔法で食器を綺麗にし、自分達も綺麗にして従魔のみんなとイチャイチャタイムだ!
存分にモフモフ、ぷるぷるを堪能したら寝る準備。
女神様に貰った結界の加護が有るのでぐっすりお休みなさいです。
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