第82話 買取してもらえるのは
マーケット街で使い切ってしまった小麦粉を買う。
今回は強力粉だけじゃなく薄力粉も購入。
卵にバター、酪農魔獣のモウモという牛に似た魔獣のミルクも買った。
魔獣とは魔力を持たない獣の事をいい、比較的大人しい為に酪農に向いている生き物も多いそうだ。
反対に魔物は魔力を持った攻撃的な生き物全般の事を言うらしい。
この町ではモウモを育て、食用肉とミルクやバター等の加工品にして販売している。
お肉は死の森で狩った魔物のが沢山有るので買わないけれど、バターとチーズと牛乳は欲しいからね!
ついでに採取したものを入れる麻袋も幾つか購入。
これもクロリスちゃんのおかげで初日に買った物は全部使ってしまったからねぇ。
買い出しを終えて拠点に帰る為に町を出ようと歩いていたら冒険者ギルドの職員さんに声をかかけられた。
どうやら死の森の素材の買取についての話が決まった様でギルドに寄って行ってくれとの事。
冒険者ギルドに着いたら通されたのはギルマスの部屋。
「おぉ!来たなサクラ!領主様と相談し、買取するものを決めたので確認を頼む。」
ギルマスの部屋に入るとヘルマンさんが何やら紙をヒラヒラとさせながら手招きをしている。
用意された椅子に座るとヘルマンさんが持っていた紙をこちらに見えるように置いた。
「まずオークキング2匹。キングツリーディアの角1匹分。キングアント2匹分とコカトリスの羽を買い取らせてもらいたい。良いか?」
「はい。大丈夫です!物はどうしますか?」
「大丈夫なら外の解体作業場まで頼む。」
そう言って立ち上がったヘルマンさんの後を付いていくと冒険者ギルドの裏手に有る解体作業場に案内されたので、そこで買い取って貰える物をアイテムボックスから取り出す。
「ほぉ、こりゃすげぇ。本当に死の森の魔物じゃないかい!」
次々と作業台に載せた魔物を見て驚きつつも興奮している感じのお姉さん。
この金髪ロングヘアを高めの位置でポニーテールに結んだ緑眼のナイスバディーなお姉さんこそ、この冒険者ギルドの解体作業の責任者カルディナさん。
「食べれる肉は引き取りだ。それ以外は売却で頼む。どれ位で解体出来る?」
「明日の昼までには終わらせるよ。久しぶりの大物だ!しかも、死の森の魔物なんて滅多に解体出来る事なんて無いからねぇ。早速解体作業だ!腕がなるぜ!」
腕を大きく回しながらカルディナさんが部下であろう人達に声をかけていく。
大きなナイフ等の解体道具を準備しているようだ。
カルディナさん達徹夜とかしないよね?大丈夫?
「では、解体と査定は明日の昼までに行っておく。買取金額も明日までに用意しておくからな。」
「はい。大丈夫です。明日また取りに来ますのでお願いします。」
解体作業を始めた職員さんに頭を下げてギルドを後にする。
ギルドを出たら、そのまま町を出て拠点に転移するために森の方へと向かってみんなと歩く。
『サクラ』
ヴィミエナがちらりとこちらを向く。
「うん。2人かなぁ。」
町を出た後から私達を付けてくる反応が気配察知のマップに2つ。
最初はたまたまかと思ったけどこれは違うなぁ。
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