第77話 下水道清掃装置
イルマさんとその旦那さんであり商業ギルドのギルマスであるエドガーさんに、この桶の機能とこれを作った理由を話す。
下水道掃除を楽にする為の道具のひとつで有る事と、それ以外にもこの機能を使って洗い場や洗濯場、冒険者の飲水問題解決の道具も作れるのではないかということ。
ついでに考えている下水道掃除を楽にする道具の説明もしておいた。分かりやすい様に絵に描いての説明だ。
イメージはろ過装置みたいな感じ。
まず汚水が流れてくるところで大きい汚れやゴミをキャッチする。その後に布、綿、砂、炭、砂利、小石を順に通る様な通り道を作る。
大きい汚れやゴミをキャッチする部分はこまめに汚れやゴミを取り除く事になるけど、そこだけならそこまで大変ではないし、私がこの間掃除した時の様なドロドロの水も溜まりにくくなれば掃除はだいぶ楽になると思う。
水が湧き出る桶は、ししおどしみたいに水が溜まった重さで傾くようにしておけば良いかな。
傾く頻度は要相談だね。1個の魔石でどれくらいもつかも検証してから決めないと。
エドガーさんが絵を書いた板版をまじまじと見ながら考えている。
「これはすごいな。これが本当に可能になれば下水道掃除はだいぶ楽になる。」
「石や砂とかは森で拾って来ればタダですし、炭とゴミをキャッチする為の物はこちらで用意出来ます。後は、通り道となる部分の素材があればすぐにでも作れますよ。この辺で鉄とかの金属素材とかって手に入りますか?」
「金属素材は難しいわね。この辺りでは取れないわ。かと言って他の街から仕入れる程の予算が取れるか…。」
金属素材はやっぱりお高いのか4箇所分の費用が出せないだろうとのこと。
小さい田舎町だからあんまり景気が良い訳ではないそうで、何事にもあまり高い予算は組めないのだそうだ。
「あ!どうせ下水道に使うのだし他の街のゴミ捨て場に捨てられた金属製の武器や防具を引き取るのはどうですか?農具でも良いかもです!」
この町のは昨日モモに消化液で溶かしてもらちゃったからもう無いので、他の街から引き取るのはどうだろう。
集めたのをクラフトで管みたいにすれば良いんじゃない?!
「それならお金は掛からないし、処理出来ない物を引き取るなら感謝はされど文句は言われないでしょうね。でもそんな素材で大丈夫?」
「大丈夫です!それ集めてもらえますか?」
「わかったわ。ギルマスに報告して、早速近くの街や村にも声をかけるわ。あなた、後はお願いね!」
イルマさんがパタパタと部屋を出ていった。どうやらギルマスの部屋に行ったみたい。
「職場であなたと呼ぶのはと何度言ったら…。」
後はお願いと残されたエルガーさんは相変わらずの苦笑いだ。仲がよろしい様で何よりです!
「じゃあ、この装置の事も含め商業ギルドに登録をしてくれるかい?」
エルガーさんに笑顔で登録用紙を渡されました!
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