第76話 商業ギルドのギルドマスター
「これはまたなんて物を!!登録は?!商業ギルドに商品登録はしたの?!!」
水が湧き出てくる桶を見せたイルマさんに、ずずずいっと迫られております。
「いえ…商業ギルドに登録はしていません。というか、登録しないと駄目ですか?」
「駄目よ駄目!!あぁ、ちょっと待って商業ギルドのギルマスを呼ぶわ!ビズ!ビズ!至急商業ギルドのギルマス読んできて!」
「はっはい!!」
大きい声で呼ばれたビズさんという50代くらいのギルド職員さんが慌ててギルドから飛び出して行った。
なんか申し訳無い。
暫く待っていると、きりっとした顔つきの30代くらいの男性が現れた。なかなかのイケメンさんだ。
「どうしたイルマ。ビズが慌ててギルドに駆け込んで来たぞ?」
「あなた!大変よこれ!これ見てちょうだい!」
あなたってことは、このイケメンさんはイルマさんの旦那さんか。
旦那さん商業ギルドのギルマスさんなのね。
「仕事場であなたと呼ぶなと言っただろうに。で、何を見ろと?」
イルマさんに言われて水が湧き出てくる桶を作動させて見せる。
桶に水がいっぱいになったところで水は自動で止まった。
「これを登録しないと駄目ですかって言うのよ?駄目よね!こんなすごい物を真似されて、商品権利取られでもしたら大変よ!」
イルマさん、先程から大興奮なんですがこれってそんなにすごい物?同じ様な物ってないのかな?
「これはすごいな。君が作ったのか?っと、自己紹介がまだだったな。私は商業ギルドのギルドマスターをしているエドガー・ポールだ。君の事は妻のイルマから聞いているよ。冒険者のサクラくんだね。」
「はじめまして、冒険者のサクラです。この子達は私の従魔です。いつもイルマさんにはお世話になっております。よろしくお願いします。」
エドガーさんにみんなで一緒に頭を下げる。
従魔が頭を下げた事に少し驚いたようなエドガーさんだったがすぐに笑顔になった。
「これはイルマの言っていた通り、すごい冒険者がこの町で誕生したようだね。しかも、商人としてもすごい才能が有りそうじゃないか。こちらとしてはこの桶の詳しい説明を聞いたら是非商業ギルドに登録してもらいたいところだね。」
「そうでしょう?!この桶は絶対に商品登録しないとだめよ!」
鼻息荒く迫るイルマさんに旦那さんであるエドガーさんも苦笑いをしている。
「じゃあ、とりあえずこの桶の説明を詳しくしてもらえるかな?」
イルマさんを椅子に座らせ、その隣に座るエドガーさん。
向かいに座った私は水が湧き出てくる桶の説明を詳しくする事になった。
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