第74話 未成年のテイマー

「実は、冒険者ギルドの依頼を受けてオランドさんのお手伝いをしたのよ。その時、いつも手伝いをしてくれてたテイマーの孫が、ゴミ処理を楽にする方法を探して来るって言ってから全然来ないってすごく心配していたのよ。アリーシャちゃんさっき、テイムしておじいちゃん楽させてあげるんだって言ってたからそうかなぁって。」


「そうなんです。ゴミは年々増えるけど、ゴミ処理出来る人は今じいちゃんしかいないから。消化液の吐けるスライムをテイム出来ればゴミ処理を手伝えるし、じいちゃんの助けになるかなって。」


それで、危険だろうに一人でスライム探しをしていた訳かぁ。


しかも、初テイムでこんなに大きいスライムをテイムしようとするあたり、結構なチャレンジャーというか無鉄砲というか…。


「バロのテイムは出来たけど、この後はどうするの?見る限りアリーシャちゃんはまだ成人前そうだし冒険者登録はしていないでしょう?従魔登録は出来るの?」


12歳なのは鑑定で知っているけど、とりあえずそれとなく成人前な事を確認しておく。


「私は12歳だからまだ冒険者登録は出来ないんです。あ、あのサクラさん!従魔登録出来るか一緒に冒険者ギルドに行ってもらえませんか?!お願いします!!」


これまた頭が地面に付きそうなくらいの勢いで私に頭を下げるアリーシャちゃん。


未成年の従魔登録が出来るかとか諸々確認しないで来てしまったようだ…猪突猛進タイプかい?


「いいよ。私もちょうど冒険者ギルドに用事が有るから一緒に行こうか。」


「あ、ありがとうございます!!」


ぱぁっという効果音が付きそうなくらいの良い笑顔を頂きました!


帰り道の途中で採取できる薬草やキノコ等をアリーシャちゃんに教えつつ、みんなで一緒に町まで帰って来た。


そのまま冒険者ギルドに向かい、イルマさんに声をかける。


「イルマさんこんにちは!また聞きたい事があるんですけど、良いですか?」


「あら、おかえりなさい!まぁ、アリーシャと一緒?って、その灰色のスライムは?!」


バロを見て驚くイルマさん。


まぁ、バランスボール程の大きさのスライムってそういないもんなぁ。


死の森で4桁くらい狩ったけど、ここまでのサイズは1、2匹だけだったもんなぁ。


「この子は私がテイムしたのよ!」


アリーシャちゃんがバロを撫でながらイルマさんに報告している。


「と、とにかく詳しい話を聞くからこっちへいらっしゃい!」


イルマさんに言われて2階の個室へ案内される。




「じゃあ、どういう事か聞きましょうか。」


私達を見渡しながら言うイルマさんに私はアリーシャちゃんに会った経緯を話した。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る