第73話 灰色のスライム

うちの子達の脅は…説得の末、どうやら灰色のスライムはアリーシャちゃんと従魔契約しても良いという事になった。


現在はヴィミエナの通訳で詳しい契約内容を話し合っている。


1日の働く時間や、仕事内容、ご飯事情を主に話し合っているようだ。


よくよく聞いているとこの灰色のスライムは他の個体と明らかにサイズや色が違く、消化液の威力も高い為、他のスライムから怖がられ仲間が出来ずに1匹で過ごしていたのが寂しかったそうだ。


因みに鑑定したところ変異種ではなく、サイズや色が特殊だけどブラックスライムだった。


思っている以上に魔物にも色々と魔物関係があるんだね。

魔物を狩る身としては複雑だけれども生きるために必要な狩りはしないとだし、魔物はある程度狩らなければ魔素溜まりができてモンスタースタンピードが起きる。


だから冒険者ギルドという組織があり、冒険者という職業があるのがこの世界だから…か。


改めて狩ってきた魔物には感謝してお肉と素材を頂かないとね。




『では、両者この条件で良いな?』


「はい!じゃあ、契約をお願いします!」


話し合いが終わり、アリーシャちゃんと灰色のスライムが手(と触手)を合わせると両者が淡い光に包まれ、アリーシャちゃんの右手首と灰色のスライムの額に白いペイズリー柄の様なテイム紋が現れた。


「これからよろしくねバロ!」


アリーシャちゃんは灰色のスライムにバロと名付けたみたい。


バロもプルンプルンと揺れて嬉しそうだ。


良かった。これでゴミ処理問題はだいぶ解決に向かいそうかな。


「お姉さん、お姉さんの従魔さん、ありがとうございました!あ、私名前も言ってなかったですよね?アリーシャっていいます。」


アリーシャちゃんが頭を下げながら慌てて自己紹介をしてくれた。鑑定してたから知ってはいるんだけれど、それは秘密だからね。


「どういたしまして。私はテイマーで冒険者をしているサクラ。この大きい子がヴィミエナ。小さい方の子がヴィミエナの娘ヴィヴィ。ピンクのスライムがモモで、このカゴに入っている子がマリモよ。よろしくね!」


『ヴィミエナだよろしくな。』


『みゃみゃ!』


『ぷりゅ〜』


『フシュー』


「わあ。4匹もテイム!すごいなぁ。」


アリーシャちゃんが私達をキラキラとした目で見てくれている。なんか恥ずかしいな。


「そういえば、アリーシャちゃんはオランドさんのお孫さんじゃない?」


「そ、そうです!何で分かったんですか?!」




鑑定です!とは言えないよねぇ。





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