第69話 依頼完了報告と相談
ひとまずオランドさんに依頼完了のサインを貰い、冒険者ギルドに戻って来た。時間的に昼時のギルドは人も少なく空いている。
「あら、サクラちゃん。おかえりなさい!もしかしてもう終わったの?!待ってて今、受付に行くわ!」
ギルドに入ったらギルド内を掃除しているイルマさんに声をかけられた。
イルマさんもすごい働き者だよね。
「全部終わりました。これ完了のサインです。確認お願いします。」
依頼完了サインの入った依頼書を5枚イルマさんに渡す。
「はい、確かに。全て完了のサインがあるわね。ご苦労様です。これで依頼完了よ。今、報酬を渡しますからね。」
そう言って渡された報酬は5銀貨。つまり5000円。
1箇所1銀貨。安すぎません?
私は魔法でちゃちゃっとだったけど地道に1日かけて掃除して1銀貨じゃあ、確かにみんな受けたがらないか。
お手伝い依頼だからしょうがないのか?でもこれじゃあ誰も受けたがらないよなぁ。
「そうだ、イルマさんに相談があるんですけど。」
というか、イルマさんに相談しても良い件なのかも含め相談なんだけど…。
とりあえず、ゴミ処理場での提案をイルマさんに話してみる。
「ゴミごとに捨てる場所を決めるねぇ。確かになんで今まで気が付かなかったのかしら。」
イルマさんが頬に手を当てしみじみと呟く。
本当になんででしょうねぇ。
「そうすればオランドさんが仕分ける手間は減るし、火魔法で処理する物も纏まっていれば処理しやすい。あの無造作に置かれた大量のゴミ山を整理していてゴミ山が崩れでもしたらオランドさんが怪我なんて事もありえますし。」
「そうね。以前ゴミ処理場でゴミが崩れて怪我した人が確かに居たわね。その人は捨てに行った人だったけれど…誰でも怪我をする可能性が有るかもってことよね?分かったわ。この案は領主様に提案して領全体で取り組める様に指示して頂きましょう。」
怪我人出てたなら対策考えましょうよぉ?!
まぁ、この件に関しては領主さんを巻き込んでなんとかなりそうだし、良しとするか。
「それからこれは聞きたい事なんですけど、この町周辺の魔物から取れる魔石ってどんなのが有ります?水属性の魔石って出ますか?」
次は下水道掃除の対策の為の質問。
「魔石?この町の周りはあまり大きい魔物が居ないから小粒なものが多いけど水属性魔石はブルースライムから結構取れるわよ。森の一角にスライムの沼と言われる場所があって、沢山居るのよ。スライムは繁殖力がすごいからこの町ではゴブリン同様、常時依頼なの。魔石も小さい物は高値にはならないから人気のない依頼だけれど。」
「そのスライムの沼って何処ら辺に有ります?あと、水属性以外にはどんな魔石が取れますか?」
「スライムの沼は町の門を出たら北北東方面の森の中ね。水属性以外にはレッドスライムとブラウンスライムから火と土属性の魔石が、これもスライムの沼に行けば手に入るわ。あとは、ウルフから風属性の魔石ね。」
「ありがとうございます!ちょっと試したいことがあって。上手くいったらまた相談に乗って下さいね!」
イルマさんにお礼を言ったら、その足でギルドの2階にある資料室へ向かう。
手にしたのは魔道具・魔法陣関連の本。
さて、次は魔道具作りにチャレンジするぞ!!
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