第68話 ゴミ処理場の現実
「ほっほっほ。こりゃ驚いたの!長年滞っていた処理があっという間じゃ。」
オランドさんが笑いながらゴミ処理場を見渡している。
山積みだった様々なゴミは全部モモに消化液で溶かしてもらった。
ボロボロになった服や装備品、武器に農具に家具に生ゴミ。とにかく色々なゴミがごちゃごちゃに山積みだった。
「助かったよお嬢さん。儂一人では溜まっていく一方で困っておったんじゃ。」
オランドさん一人でこの町のゴミ処理してるのかな?それはだいぶブラック企業じゃない?
「オランドさんは一人でこの町のゴミ処理をしてらっしゃるんですか?流石にこの量一人は無理じゃないですか?」
お節介とは思うけれど流石にこれは駄目じゃない?
「いや、以前は儂の孫が手伝ってくれていたんじゃがな。最近はとんと姿を見せなんだ。ゴミ処理を楽にする方法を探して来ると言っていたがどうしたものかのぉ。」
孫がいない間もゴミは出されここに集められるので処理が大変だったらしい。
普段は燃える物とそうでない物に分けるところから始めるらしい…それは重労働だし、一人で大きい物を動かそうとして怪我なんて事になったらシャレにならんのでは?
「オランドさん。まずゴミを捨てる人にある程度捨てる物を分けてもらいましょう?看板を立てて、燃える物・そうでない物・大型の物・食品ゴミで!そうすればここまでごちゃごちゃにはならないでしょうし、ゴミの処理もしやすくなります!」
流石に前の世界の様に曜日ごとで出すゴミを分けるのは無理だろうけどせめて、ごみ捨て場で捨てる場所くらい分けてもいいと思わない?
てか、誰も思わなかったのかい!!
「今更、町のもんたちが聞いてくれるかのぉ。」
「聞いてくれないならオランドさんの代わりにこのゴミを分別してもらいましょう?その作業がどれだけ大変で危ないか、自分の仕事じゃないから他の人がどんなに大変でも関係ないみたいのは駄目です!イルマさんにも何か良い方法はないか相談しときます!もちろん私もゴミ処理手伝いに来ますね!」
「ありがたいのぉ。ゴミ処理は何処の街や村でも課題なんじゃよ。レベルの高い火魔法使いが居ればここまで溜まる事もないんじゃがの。この町の若い衆は大体冒険者として旅立つじゃろう?だからこんな爺しか残らんのさ。孫はこの町に残ってここを手伝ってくれるとは言っていたんじゃがのぉ。」
オランドさんが遠くを見つめながら呟く。なんか、切ないなぁ。
「お孫さんは火魔法使いなんですか?」
「いや、儂の孫はお前さんとおんなじテイマーなんじゃよ。」
ここでテイマーって、なんてタイムリーな…。
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