第67話 初依頼

依頼を受けてまずやってきたのは冒険者ギルドに1番近い下水掃除の場所。


依頼書に書かれた場所へ行き、下水への入口の番をしている人に鍵を開けて貰ったら、いざ依頼開始!


下水へ向かう道へ入っただけで鼻をつく様な匂いがしてきたので、魔法で匂いを遮断する結界を貼る。


因みにヴィミエナとヴィヴィは嗅覚が人間よりも遥かに良いのでこの匂いはキツいだろうと、入口の所で見張り番をお願いしている。結界はあるけれど念の為ね!


どれ位の頻度で掃除をしているのか分からないが、なかなかの汚さである。


『ぷ、ぷりゅ〜』


モモもどん引く程の汚さのようだ。


今まで聞いたことの無い様な低い声で鳴いている。


「じゃあ、ちゃちゃっと終わらせようか!行くぞぉ!!」


気配察知の地図で下水全体のサイズ感を調べたら、その空間全土に行き渡る様にイメージして魔法を放つ。


「クリーン!」


ぱーっと下水道が淡い光に包まれた後は先程までの汚れが嘘のように綺麗になっている。


という事で一瞬でお掃除終了!魔法のありがたいことありがたいこと。


掃除完了サインを貰いに行ったらあまりの速さに嘘だと疑われたけど、綺麗になっている下水道を見てとても驚かれた。


依頼は問題なく終了!この調子で他の3箇所も掃除を行う。


何なら掃除時間より移動時間の方がかかったくらいだわ。


しかし、どこもすごい汚れだったなぁ。クリーンの魔法は無理でも、水魔法とかで掃除をする人とかも居ないのかな?なかなか依頼を受けてくれる人が居ないと言っていたし、居ないんだろうなぁ。


頻繁に掃除出来ないなら何か良い方法が無いか考えてみようかなぁ。




下水掃除が終わったら次はゴミ処理の依頼へ!


町の奥の隅っこに作られたゴミ処理場。

入口に管理室の様な物があったので声をかけてみると中からヨボヨボなおじいちゃんが出てきた。


「こんにちは。ギルドで依頼を受けて来ました。冒険者のサクラです。ゴミ処理の依頼との事ですが具体的には何をすれば良いですか?」


依頼書とギルドカードを見せて確認をしてもらう。


このおじいちゃんはオランドさん。


以前は高威力な火魔法を使い、ゴミ処理をしていたというが歳を重ねるごとに魔法の威力も弱まり処理能力が低下して処理が追いつかない為、依頼を出していたそうだ。


しかも燃やせないゴミは処理出来ずに溜まっていく一方で困っているとか。


「じゃあ、ここに有るゴミを処理するお手伝いをすれば良いと言うことですね!でしたらうちのモモ、従魔のスライムにお任せ下さい!モモお願い出来る?!」


『ぷりゅ!』


了解!と私の服のフードから飛び出ると、巨大化スキルを使って1メートル程の大きさになり、消化液を噴射してみるみるうちにゴミを溶かして無くしていく。


オランドさんが目を丸くしながら驚いているのを横目に、ゴミ処理場のごみは30分もしないうちに綺麗さっぱりと無くなった。



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