第64話 依頼を受けよう!
「それは良かったですねぇ。そんなに依頼を受けたのならこんなところで油を売ってないで早く向かった方が良いんじゃないんですかぁ?」
とりあえず、思い切り声をかけられたのに無視は良くないかと返事を返してみる。
やる気なさすぎてすごい棒読みになってしまったわ。
「な、なんだと!!ふん!負け惜しみしたって無駄だからな?!お前がクズ依頼しか受けられないのは変わらないぞ!」
豪傑の戦士の3人が見せびらかす様に見せる依頼書はどれも討伐依頼のものばかり。
「討伐依頼だけが冒険者の仕事では無いでしょう?下水掃除やゴミ処理がクズ依頼って言うけど、それをこなしてくれる人がいるから町が綺麗なんじゃないの?この依頼を受けてくれる人がいなきゃこの町はゴミだらけだし共同トイレっだって汚れて汚物だらけかもしれないじゃない?!キャンプ地を使っているあなた達はとてもお世話になることでしょう?」
はい。また黙ってしまいました。
冒険者の仕事は討伐依頼の他にも常時依頼に採取依頼、納品依頼、護衛依頼、探索依頼、配達依頼に救出依頼。
そして、掃除やゴミ処理、店番や修理などの雑用系の依頼、その名もお助け依頼が有る。
定住民の平均年齢が高いこの町ではこのお助け依頼の数が多めだというのは昨日のイルマさんの冒険者授業で教えてもらっていた。
良ければ受けてくれると助かるとも。
新人冒険者は討伐依頼ばかりに一生懸命でお助け依頼なんてダサいと、なかなか受けてくれないそうだ。報酬もあまり高くはないみたいだしね。
でもひとつ大事なことが…
「討伐依頼ばかり受けるのは勝手ですけど、どんなに討伐依頼を成功させてポイントを貯めてもお助け依頼を1度も受けてない冒険者はGからFランクには上がれないんでしょう?」
そう、採取や討伐依頼の達成だけでは冒険者ランクは上がらないという事。
腕っ節だけではなく優しさや思いやりも持てなきゃ一流にはなれない!とはギルマス談である。
「そ、それは…。」
3人が口籠る。
これはもしや、この決まりを忘れていたとか?!
「デュート、い、行きましょう?!こんな奴にかまってるなんて時間の無駄よ!」
「そ、そうだな。行こう!」
勝手にかまって来たのはそちらなのに、逆ギレして豪傑の戦士の3人は自分達の依頼を受けに行った。
豪傑の戦士に絡まれていたらいい感じに掲示板の前が落ち着いて来たので依頼を見に行くことに。
従魔達には他の冒険者の邪魔にならないようにギルドの端で待機していてもらう。
Gランクの受けられる依頼を見てみると、見事にお助け依頼ばかりだった。
「なになに〜。下水掃除にゴミ処理に家の物の修理やお買い物代行。屋敷の掃除や草むしりかぁ。」
確かにお年寄りには大変なものばかり。
あ、でもこれクリーンの魔法とかクラフトの魔法とか使えばすぐに終わるものも多いのでは?
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