第63話 1度有る事は…

クロリスちゃんの精霊パワーを目の当たりにした翌日の朝。



まずはジャイアントゴートの乳搾りをして、その後は朝食作り。

昨日あれから寝る前に魔法を使って天然酵母を沢山作っておいた!


で、それを使って白パンと木の実をたっぷりと入れたパン、グレプを全て天然酵母にせずに残しておいてレーズンパンを焼いていく。


昨日買った小麦粉、全部使ってしまった…また買いに行かなきゃ。


キングトードのお肉を焼いて、ばあちゃんお手製の麦味噌と砂糖、みりんで味付け。


蛙肉って最初はちょっと抵抗があったけど、美味しかったので今では全く気にせず食べれる。元の世界の鶏肉に近い味!


それを葉野菜代わりの野草と共に焼きたての白パンに挟んでいただきます!!


キノコと卵のスープも付けて美味しい朝食タイムでございましたよ!


そうそう、私が乳搾りと朝食の準備をしている間にヴィミエナが、自分は料理が手伝えない代わりにと狩りに出掛けていた。


その成果はコカトリス3匹。


『緑ポーションの材料になるのだろう?肉も美味いしな。』


だそうだ。前回はヴィヴィのボロボロに傷ついた姿に動揺し遅れを取ったが、本来は余裕で勝てるみたい。


怪我が無いなら良かった!


多めに焼いたパンのいくつかはクロリスちゃんにお裾分け。

いそいそとプレゼントしたマジックバックにパンをしまっている姿はとってもかわいい。


昨日のお礼も兼ねているけど、喜んでもらえてなにより。


後片付けを済ませたら、町の近くの森へ転移。歩いて町の門へ向かう。

門番さんに挨拶をして、冒険者カードを提示したら町の中へ入って冒険者ギルドへ。


朝イチの冒険者ギルドはすごい賑わいだった。


何でも、依頼は早いもの勝ち。良い依頼を受ける為には早くに来て、依頼の張り出されている掲示板から依頼書を剥がして受付てもらわないと、稼ぎの良い依頼はすぐに無くなってしまうそうだ。


依頼掲示板の前がごった返しているので、少し空くまで先に買取窓口に行こうかと思っていると余り嬉しくない人物達に声をかけられた。


「はっ。こんな遅くに来たのか?!残念だったな。良い依頼の依頼書は全て俺達、豪傑の戦士が引き受けた。今更来たところで残っているのはクズ依頼ばかりだ!」


「残っているのは下水掃除やゴミ処理みたいな物ばかりよ。あなたにはお似合いな依頼でしょうけど!」


「そうよ!お似合いよ!」


声のした方を見ると、依頼書を沢山持った豪傑の戦士の3人が自慢げな顔でこちらを見ている。


完全に目をつけられたのか、何故か絡んで来る豪傑の戦士の3人なんですけど…これは無視は良くない?


因みにヴィミエナ達は3人の方など微塵も見ておらず無視である。


羨ましい…私も無視して関わりたく無いのが本音なんですけども…。














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