第58話 豪傑の戦士
「そっちは男女でテントを分けているからテント2個分に食事用のテーブルとかの場所。こちらは1人用のテントの横に寄り添うようにこの子が寝るし、テーブルとかは出す予定無いから実質こっちの方が使うスペースは少ないけど?」
キャンプ地で絡んできた3人組の冒険者に正論で返してみました。
だってどう見ても無駄にでかいテント2つに無駄にでかいテーブル。
場所を無駄に使っているのはそっちだもの。
「お前!俺達は冒険者パーティー"豪傑の戦士"《ごうけつのせんし》だぞ!!」
「豪傑の戦士だぞと言われましても存じ上げませんが?」
あ、ちょっとイラッとして敬語になってしまったわ。
大層なお名前だけどそんなに有名な冒険者パーティーなのかしら?
教えて鑑定さん!!
で、分かったのは3人はデュート(男子)、アーノル、ユリアと言いもうすぐFランクに上がりこの町から出て行こうとしている新人冒険者くん。
もう鑑定さんの備考欄を見て皆さん!
【 備考欄 】
Fランクに上がることでこの町から旅立てる資格が得られる為に舞い上がっている。正直、GからFランクにはよっぽどの事が無い限り誰でもなれる為、凄い訳でも無いが何故か自分達はかなり強いと思っている勘違い残念状態の冒険者パーティー。収入も見栄の為の冒険者道具に注ぎ込み宿代も払えないのよ!サクラはこうはなっちゃ駄目よ!
何それ残念どころじゃない。頭大丈夫かな?
鑑定さん大丈夫。私はこうならないように気をつける!!
「知らないだと!ふ、ふん!愚かな。俺達はこの町で今1番期待されているパーティーだぞ!!この場所は俺達が泊まっている場所だ。すぐにそこをどけ!」
周りを見渡すが他の宿泊者達が皆さん首を横に振っている。
つまりそういうことよねぇ。
「でも、何も置いてなくて空いてるし、泊まる場所は決まってるわけじゃなくて、泊まる人たちの間での譲り合いでしょう?」
「俺達はSランク冒険者になるんだ。そんな俺達に凡人が場所を譲るのは当たり前だろう!そんな口を聞いて後悔するぞ?!」
どんな当たり前だよ…。
「それはSランクになってから言ってくださいね。ここにいる冒険者はほぼみんなGランクで一緒でしょう?それと、Sランクになる様な凄い冒険者ならこんな所に泊まってないでこの町1番のお宿とかに泊まれば良いのでは?それこそ凡人には泊まれないようなお宿に。」
黙っちゃった…。それが出来ないから無料のキャンプ地使ってるんだもんね。
この町から旅立つのなら今まで以上にしっかりと準備をしないと行けないはず。
この町より外にはここより遥かに強い魔物がいるんだから。それを見越してお金の使い方を計画しなきゃ。
「う、うるさい!!と、とにかくここから出でいけ!!」
あーあ。逆ギレも良いいところじゃない?
まあ、良いんですけど。
こんなうるさい人達の隣なんてこっちからお断りだわ!
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