第54話 イルマさんの冒険者講座
初めての買取が終わり、イルマさんに連れられてギルマスの部屋から応接室に使うという部屋へ移動した。勿論、従魔達も一緒に。
「さて、席についたらまずはお茶とお茶菓子ね!遠慮せずにつまんで!これから、サクラちゃんに冒険者のというか世間のアレコレを教えるわ。」
真面目な表情でイルマさんが話初めたのはこれから旅をするにあたっての基礎と他の街に着いたら気をつけることだった。
まずはお金の種類。イルマさんの話的に元の世界の金額に例えたらこんな感じ。
鉄貨→10円
銅貨→100円
銀貨→1,000円
金貨→10,000円
大金貨→100,000円
白金貨→1,000,000円
黄金貨→10,000,000円
黄金貨なんて使う人いるのかな?あ、王族の方とかね。なる程。
死の森の素材は基本高価なのでポンポンと何種類も出さないこと。
マジックバックはあまり容量が大きく無いふりをしておきなさいとのこと。
細かいアイテムはマジックバックじゃない普通のバックに移し替えてから買取に行きなさいとのこと。
なめられる可能性があるため、余り下手に出た丁寧な言葉は使わない方が良いこと。
自分や従魔のスキルは極力他言しないこと。
テイマーを馬鹿にする奴もいるが、ケオトートティーガを従魔にしていると分かれば私達を取り込もうとする輩が現れるだろうから気をつけること。
なんかもう色々としでかしてたっぽいので、素直にお礼を言って聞いていたら、
「森での暮らしが長いのならしょうがないわよ。これから覚えて気をつければ良いわ。でも本当に冒険者登録したのがこの町で良かったわよ?ノベルディアンだったら、あなたを良い様に使おうと無いこと無いこと吹き込んだでしょうから。」
だそうだ。
無いことのみ…。ノベルディアンの冒険者ギルドよっぽど信用無いのでは…。
しかも死の森に居たのは実施2ヶ月だけど、私を捨てたのが女神メガリスとは話していないのでイルマさんは私が従兄妹家族に捨てられ、結構な長い年月を死の森で過ごしていたと思っているようだ。
元の世界で従兄妹家族に捨てられたのは事実だけれども…。
まぁ、女神様達の事と自分が異世界から来たことは言わないつもりなのでそう思って貰えた方が都合は良い。
「さて、お勉強はまだまだこれからよ?!まずは魔物素材の基本買取金額の一覧と薬草なんかの一般素材の買取金額と売値を書いた冊子が有るからこれに目を通しておきなさい。素材を買い叩かれる心配がなくなるわ。他の領や国についてはこの町を出る前までにこの部屋の前の廊下の突き当りが資料室になっているから調べておくと良いわよ!魔法や魔道具用の魔法陣についての本も有るから興味があったら見てみてね!」
他にも何か分からない事が出来たらいつでも聞きに来なさいと、何から何まで親切に対応してくれた。
冒険者は死と隣り合わせの依頼も多いから、1人でも多くの命を助けられる様に、うるさいくらいにおっせかいを焼いて命を守る基礎を教えるのがこの町の方針なのよとのことだ。
本当に良い町にこれて良かったわぁ。
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