第45話 関所前で
武器をこちらに向けて構えている人達はこの関所を守るプリンシビアータ領の騎士のようだ。
額に汗をかいている騎士もおり、緊張感が伝わって来る感じ。
そういえば、かわいいから忘れがちだが、ケオトートティーガの親子であるヴィミエナとヴィヴィは死の森でも上位魔物に入るんだったっけ?
「えぇと、はじめまして。サクラと申します。テイマーでこの子達は私のかわいい、かわいい従魔です!ノベルディアンの街で冒険者からの従魔を登録して貰えなかったので、登録して貰える街を探して旅をしています!」
とりあえず自己紹介。
従魔達のかわいいを強めにアピールしたけれど伝わるかなぁ。
いつぞやのご令嬢の受付嬢みたいになったらどうしよう…。
「そいつらがお前の従魔だという証拠は!!」
若めの騎士が叫ぶ。
「テイム紋なら有りますけど、書いてるだけとか言われても何なので調べて貰っても大丈夫ですよぉ。あと、この子達があなた方を襲わず大人しくしているのも何よりの証拠かと!」
そう言いながらみんなを順番に見ながら撫で回す。
ヴィヴィはみゃうみゃう言いながら頭を私の頬に擦り寄せてくる。うちの子本当にかわいい!
「確かにSSランクと言われるケオトートティーガがあんなに大人しく人間の隣で座っているなんて、通常じゃあありえないだろうからなぁ。」
1番体格の良い騎士が顎に手を当てながら言う。
因みにこの人の肩に気配察知で感じた人間じゃ無い気配の正体、青い翼が綺麗な鷲の様な魔物が怯える様に乗っている。
「しかし、隊長信じて大丈夫なんですか?!」
「じゃあお前達は自分よりも遥かに強い魔物をあんなに大人しく従わせる事が出来るか?」
「俺達はテイマーじゃ無いですもん無理っすよ!でもテイマーだってSSランクの魔物をテイムするなんて早々出来る事じゃ無いっすよ?!隊長だって無理だって言ってたじゃないっすか〜。」
隊長と言われた騎士が自分の肩に乗る青い翼の魔物を落ち着かせる様に撫でる。
隊長さんもテイマーなのかな?鑑定さんの出番だね?!
結果、隊長さんはテイマーだった。
でも周りの騎士達はテイマーを馬鹿にしたような言い方はしていない。
ノベルディアンの冒険者ギルドではテイマーって聞いてみんな人の事を馬鹿にしたり哀れんだ様な目で見ていたけど、この人達は違うのかなぁ。
『我らは皆、サクラの従魔だ。サクラを馬鹿にしたり傷つけたりしない限りは我らがお主らを攻撃することはないぞ。』
「「喋った!!!」」
ヴィミエナが攻撃する気はないことを告げると騎士達全員が声を揃えて驚いた。
魔物がいきなり喋り出したら驚くよね?私も初めての時は驚いたもん。
「喋れるとは高位種の中でもかなりレアだな。意思疎通が出来るのならテイムも可能か…。良し!とりあえず詳しく話を聞かせてくれ!通行許可が出せるかの判断はそれからだ!」
隊長と言われた騎士が武器を下ろすとこちらへと手招きをする。
良かったどうやらここではちゃんと話を聞いてくれるみたい。
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