第44話 新たな領地へ

クロリスちゃんに見送られ拠点を出たら、気配察知の地図の端っこに見える関所へ転移!


をいきなりしたら驚かれるだろうから森の端まで転移してそこからヴィミエナにのって移動する。


首輪に付けた虎型ボタンを押せば一瞬で鞍が装着される優れもの!


ヴィミエナに跨ったらヴィヴィをおんぶ紐でおんぶ。


私の肩から前を覗くヴィヴィの可愛さったら…。


ヴィヴィをおんぶしているのでいつも服のフードに入っているモモは私の腕の中。


一緒に落下防止用の持ち手を掴んでいてこれまたかわいい…。


マリモは移動専用かごバッグから顔を出し辺りをキョロキョロ見渡していてもちろんかわいい…。


従魔のかわいさに悶絶しそうになるのを堪えている最中も移動は進んでいる。


私達が落ちないようにかなり抑えめに走ってくれているようだがヴィミエナの移動速度は速く、あっという間に死の森があるモルテボア領と隣の領を隔てる高い壁が近づいてきた。


「もうすぐ関所かな?人の気配もするし近づきすぎる前に少し速度を落として歩いて貰って良いヴィミエナ。」


『分かった。森では余り乗せる練習が出来なかったが乗り心地は大丈夫だったか?なるべく揺れぬように走ったつもりだが。』


「全然大丈夫だよ!乗り心地最高!ヴィミエナこそみんなで乗せてもらっちゃって重くなかった?」


『重くはないさ。サクラと行動する様になってからはアイテムボックスやマジックバックで持つ事は殆ど無くなったが、死の森の獲物を運ぶのに比べれば何も持っていない位に軽いさ。』


確かに死の森の魔物って殆どが大きいから体重も勿論重い。


最初の血抜き作業の時とか重くてすぐ魔法で持ち上げちゃったもんね。


今じゃ血抜き作業はモモが1,2分でやってくれるし大助かり!


そんな話をしていたら巨大な壁の一角にある関所が見えてきた。


関所のゲートの様な所にはプリンシビアータ領の文字。


見張りが2人。壁を超えた側に詰所の様な建物が有り、その中に2人。

そして人物反応では無い小さい反応が1匹居るようだが何やら全員慌てて詰所から出てきている様子。


金属鎧を身に着けた騎士っぽい男性3人と女性1人がそれぞれに武器を構えこちらに向けている。


「止まれ!!お前達は何者だ!何をしに来た!」


身体の1番大きな男性が大声で叫んでいるのが聞こえる。


どう見ても私達に言ってるよねぇ。


私はヴィミエナから降りてモモをヴィミエナの頭の上に乗せ直すと、抵抗する意思は有りませんの意味を込めて両手を頭の高さまで上げてその場で止まった。


ピッタリと寄り添ってヴィミエナが私の隣に座る。


武器を持った男性達との距離はまだ数十メートル。


今回は話をちゃんと聞いてくれる人達だと良いなぁ。


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