第32話 スッキリ!
ズンッッ!!!
ギルドの建物を大きな縦揺れが襲う。
地震ではない。
その場に居た者全員がその圧倒的な威圧に耐えきれずその場に崩れ落ち、目の前に居る受付ご令嬢は真っ青な顔から真っ白な顔へ。
そして自身の下着と…椅子と床まで汚したご様子。
私の横には転移でやってきたヴィミエナとヴィヴィ。
ヴィヴィの首元を口で咥えながら70%の威圧を放っているヴィミエナからヴィヴィを受け取り抱っこする。
ママの結構な威圧に全く持って無反応なヴィヴィは大物になる予感しかないね!成長が楽しみ!
「さてこれでも嘘だと仰るのかしら?ちゃんと確認もせずに人を嘘つき、虚偽だとか言ったことお忘れじゃあありませんよね?」
「そ、そ、それは…。」
真っ白な顔で歯をガチガチと鳴らすくらいに震えながらニコラ男爵令嬢が答える。
少し怖がらせ過ぎたかな?
でもこんな対応を今までもしていたのなら人としての品格を疑うよ?
良く解雇にならないよね?
そこは貴族だから解雇に出来ないとかそんな面倒臭い大人の事情ルールでもあるのかな?
「でもまぁ、良いです。ここのギルドは信用出来ないという事が分かりましたし、ここでの登録はやめます。ついでに売ろうと思っていた死の森の魔物の素材売却もやめましょう。クイーンビーの針とかキングホーンラビットの角とか魔石とか食べられない物いくつか買い取ってもらおうと思ってたのに。あ、登録用紙返してくださいな!」
受付嬢の前に置いてある私が提出した冒険者の登録用紙を持ち上げたら、空中で狐火を使い燃す。
こんな人がいる場所に自分のデータを残して行きたくないもん。
「魔法!!しかも無詠唱で…」
「今、クイーンビーとかキングホーンラビットとか売るって言ってた…。」
「あのケオトートティーガ突然現れたぞ?転移魔法が使えるのか?!」
いえ、転移魔法を使えるのは私です!
でも珍しい魔法だろうから人間ではなく魔物が使える風に見せる設定にしておいた方が良いというのもヴィミエナと話して決めておいた設定だ。
ケオトートティーガは死の森でも上位の魔物に入る為に討伐のデータは殆ど人間側にはないだろうというヴィミエナの意見を参考に、レアスキルはヴィミエナが使ってる感じに見せよう作戦!
あと、魔法は何か言いながら発動させる感じです?
無詠唱は珍しいのか。じゃあ後で呪文考えておかないとかなぁ。
周りで震え上がりながらも何かボソボソ言ってる皆さんも放っておいてもう森に戻ろう。
計画の練り直しだ!
「では、お騒がせして申し訳ありませんでした。最後に、受付嬢がジョブ差別するようなギルドって信用性大丈夫なんですか?生まれやジョブであれだけ態度を変える様なら御自分のさじ加減で依頼達成の際の評価にも手心を加えてないとも言い切れないのでは?この受付嬢に対応して貰った事のある冒険者の方は良く確認された方が良いと思いますよ?では、失礼いたします。」
挨拶をして転移で死の森の拠点に戻る。
転移する間際ギルドがザワッとしたけど知りません。
でも確認は本当にした方が良いよ?
だって彼女の鑑定結果に本来冒険者に払うはずの報酬の一部をチョロまかして懐に入れているって出たんだから。
ギルドにはちゃんと全部渡したって報告しているみたいだけど…横領はこの世界でも罪になるのかな?
そしてこの世界に来てから使いまくっている鑑定がレベルアップして備考欄が見えるようになってるんですが?!
まぁそのおかげで男爵令嬢の横領が分かったわけだし、言いたい事言えてスッキリしたし良いか!
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