第27話 名前

倒したコカトリスの素材を全部回収し、クリーンの魔法で辺りの血や臭いを消してから虎さん親子を転移で拠点にご招待!



「ようこそ私達の拠点へ!適当な場所で寛いでて!まずはヴィヴィちゃん用にジャイアントゴートのミルクを準備するね!」


お腹を空かしているであろうヴィヴィちゃんの為にミルクを準備。人肌くらいに温めて哺乳瓶に入れる。哺乳瓶大きめに作っといて良かったわ!いっぱい飲んでもらって栄養不足解消しないとね!


『ジャイアントゴートのミルクなどよく手に入れたな。あ奴等は草食の割にかなり攻撃的であろう?』


そう!そうなの!あの巨大ヤギ人を見るなり突進して来るんよ!


確かに子供の居る群れに行ったから子を守るためなんだろうけど!群れのほぼ全大人ヤギで追いかけて来なくてもとは思ったよ!で、近づけもしないから最終奥義!


「子ヤギがミルク飲んでる時に気配を消す隠密ってスキル使って、子ヤギの横で乳搾りしました!巨体だから体の下に潜り込んでしまえば親ヤギからは見えないからか、気配消していれば意外とバレなかったの。おかげで美味しいミルクは沢山あるのよ!それに…。」


哺乳瓶に入れたジャイアントゴートのミルクをヴィヴィちゃんに飲ませながら、私がこの世界へ来ることになったきっかけや女神様達に貰ったスキルのこと、この森に来てから起きた事等を話した。拠点を手に入れた経緯もモモとの出会いも。


『女神の加護に精霊の案内で手に入れた拠点か…。小さいがここは聖域と言って良いだろうな。サクラの許可した者以外にはこの場所の存在すら感知出来ないだろうからな。』


「聖域?!だけど…でもそうか、どうりでこの場所を通常の魔物達が避けて通っている訳だ。これはライトブルーのコツメカワウソさんにまた会えたら改めてちゃんとお礼言わないとだね。」


女神様達には今晩のお祈りの時にお礼言っておこう!


ミルクを飲み終えたヴィヴィちゃんを抱き上げ背中を優しくポンポンしてあげる。無事にゲップが出たところでワームの皮で作ったレジャーシートもどきとキングジャイアントボアの毛皮を敷いて寝かせる。


ママ虎さんも寝れる位のサイズに敷けるくらいに数があるのが今はこの皮だけなんだよね。今度またキングホーンラビット探そう!


「そうだ!ママ虎さんは呼び方どうする?そもそも虎って私の居た世界の動物だからなぁ。」


散々呼んだ後だけど今更ながらに虎さんと読んで良いもんかとね…。


『我は特に気にせんが、サクラの好きに呼ぶと良い。』


「じゃあ、名前つけても良い?親子だしせっかくならヴィヴィちゃんの名前と…う〜ん。そうだ!ヴィミエナはどう?私の居た世界の森と狩りの女神様と、狩猟・月の女神様の名前からつけてみました!最初の文字が2匹共ヴィで始まるのもお揃いで良くない?」


『ぷりゅりゅ〜』


「そうね。私とモモはピンク色のお花の名前でお揃いねぇ。」


『ヴィミエナか。サクラの世界のとはいえ女神から名を拝借するとは我には勿体ない位の名だな。しかし、サクラとモモの名前がピンクの花で揃いなように名には色々な意味があるのだな。』


「そうだよ!名前には色んな思いが込められてるんだよ!ちょっと無理矢理だけどあなた達親子の名前合わせたらヴィミエナヴィヴィは森と狩猟の女神として生きるものってなると思って素敵かなぁと!」


『そうか…良い名だな。我は今日よりヴィミエナだ。この名に恥じぬよう務めねばな。改めて宜しくなサクラ、モモ。』


ふんすっと鼻息荒く宣言してくれたヴィミエナだけどちょっと私の中二病感出ただけだから、この名に恥じぬようなんて言ってもらわなくても大丈夫よ!


女神様から取った名前なんてかっけぇ位に思っておいてくれるだけで良いのよ?!

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