第24話 襲われていた理由

コカトリスに襲われている所を助けた白い大きな虎さんの言うことにゃ魔物の中でも序列のような物があり、高位の魔物ほど人の言葉を理解して使ったりすることが出来るらしい。


この2匹の関係は親子。母と子だそうだ。

そんな白虎さん親子が襲われていた理由を聞いて私は憤りを感じた。


子供が寝ている間に自分の食事を済ませようと狩りに出ていたお母さん虎が戻ると子供が住処の何処にもいなかったそう。

慌てたお母さん虎は群れの者達に聞いたが誰も何も言わないのをおかしいと思い、近くにいた者を力ずくでねじ伏せ子供の居場所を吐かせたらしい。


そしてコカトリスの縄張りに捨ててきたと言われたそうな。


理由は一族に黒い毛の者など不吉だからと、長でありこの子の父親でもある奴が言ったから。


何だそれ!毛の色が違うだけで不吉って!!しかもこんなに小さい子を殺す気でコカトリスの縄張りに置いて来たって!!


その後はお母さんが急いでコカトリスの縄張りに行き探していたら8匹のコカトリスにボロボロにされている我が子を見つけたそうだ。


『普段ならコカトリスごときに遅れは取らぬのだが怪我をしたこの子を見て動揺してしまってな。この子に向けられた石化を回避出来ないと思い自分で受けたのもまた動きを悪くさせた。お主が来てくれなければ我らは助からなかっただろう。ありがとう。』


「いえ、助けられて本当に良かったです!毛の色が違うのはそんなに珍しい事なんですか?」


『ここ数百年で見た一族はいないようだ。』


お母さん白虎は子供を優しく前足であやしながら言う。


体の色が他とは違う。それにはすぐ近くに心当たりがある。


「あのぉ。良かったらあなた達を鑑定させてもらっても良いですか?何か分かるかもしれないですし。」


『人の子よ鑑定の魔法が使えるのか?珍しいな。……出来ればお願いしよう。この子がどんなであっても私の子な事に変わりはないし、この愛が変わることはないが、病気などがあっては心配だしな。宜しく頼む。』


「了解しました!それと、私はサクラ。サクラ・ココノエ!サクラって呼んでくださいね!」


『わかった。サクラ、我が子の鑑定を頼む。』

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