第8話 採取からの第1森人(人じゃない)と対面!
気配察知を繰り返しながらまずは水辺を探す。飲水は魔法で出せるから困らないけど、川とか湖とかあれば夕飯用の魚がget出来るはず!
勿論、歩きながら手当たり次第に見える植物や木の実やキノコに鑑定をかけて食用可の物はアイテムボックスに放り込む!
鑑定さんのありがたいのは自分に掛けた時と違い、植物とかに掛けると食べれるかどうか(とっても大事!)と元の世界のこの食べ物に似ているとかを教えてくれること!これは味の想像もしやすくて助かるわ!
例えば今私が手に持ってるこれ…
「鑑定!」
【 アボの実 】 食用可
クリーミーで濃厚な果物。
栄養価も高く結構高値で取引される。
元の世界のアボカドに似ているよ。
そのままは勿論、ディップソースやグラタンもいかが?
トリートメントやクレンジングオイルの材料にもなるよ。
アボカド来た〜!好きだから嬉しい!!勿論、大量に採取しましたとも!この鑑定さん食べ方のオススメだけじゃなく、物作りの材料になる事も教えてくれるから本当に助かるわ!
イストルディア様とペミネルラ様の加護の力のおかげで材料を見ると何をどうすればどんな物が作れるか頭の中に浮かんで来るから不思議だけどありがたい!この世界のお風呂事情とかはまだ分からないけど、シャンプーとかトリートメントは作りたいよな〜。取り敢えずはこの森を抜けてからだけどね。
料理に使えそうな薬草やキノコに木の実。果実も数種類getできた。野営に必要そうな薪や蔓も拾いながら歩く。太陽の位置はまだ高い。お昼前位かな?
「どれくらい歩いたかなぁ。色々採取は出来ているけど肝心な水辺の近い寝床にも出来そうな場所が見つからないな〜。気配察知って水の気配とか感じ取れないのかな?出来れば水辺を探し易いのに。」
歩き疲れたのもありその場にしゃがみ込む。
『きゅ?』
「わあ!!!」
突然の鳴き声に尻もちをつく。何!何事!?気配察知には何も反応してないんですけどおぉ?恐る恐る鳴き声のした方を見ると、1ⅿ位先でコツメカワウソがフヨフヨと浮いていた…。
黄色い花の飾りを頭に着けたライトブルーのコツメカワウソである。
「コツメカワウソって浮くの?!じゃなくて!武器?武器!」
『きゅ?きゅう?』
慌てて女神様に貰ったアルカナジャベリンに手を掛けようとしたが、ライトブルーのコツメカワウソは頬に手を当てて首を傾げる仕草だ。
「何あれ…めちゃくちゃ可愛いぃぃ。」
これが凶暴な魔物だったら今頃、川は川でも三途の川に着いちゃう所だったんじゃ?!
でもこのライトブルーのコツメカワウソの姿をハッキリ見た今も気配察知に反応が出ていないし、殺気の様な物も感じない。
何より可愛い!!いや、可愛いい見た目なのに凶暴な魔物もいるかもだけど!!
しばし謎のライトブルーのコツメカワウソと見つめ合う。つぶらな瞳が可愛らしい。あ、もしかして!
「えっと、こんにちは。私はサクラ。訳あってこの森でサバイバル中なんですが、あなたはティアデル様が言ってた精霊さん的な方であってますか?あの私、この辺りで水辺に近くて野営もできる場所を探してるんです。砂成分を含んだ足場だとさらに良いんですけど、なかなか見つからなくて…。何処かに良い場所はないでしょうか?」
『きゅう?きゅきゅきゅう。』
「何か話しかけてくれているようだけど何を言ってるかさっぱり分からない…。あ、もしかしてこの辺りはあなたの住処?!だったらごめんね!すぐ移動するので!」
慌てて立ち上がると突然ライトブルーのコツメカワウソが私に背を向けてふわふわ飛んでいく。数メートル進んだ所で止まるとこちらを振り返るライトブルーのコツメカワウソさん。
また背を向けたかと思うと数メートル進んだ所で止まりこちらを振り返る。
『きゅ?きゅうきゅきゅ』
「もしかして付いて来いって事かな?」
『きゅう〜』
ライトブルーのコツメカワウソさんが空中でクルクルと宙返りをする。
どうやら当たりみたい。
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