未確認飛行物体20

 そして客室に戻りイザニエルの話を皆にも伝えると早速、出発などについての話し合いが開始。


「東の森へ行くならすぐに出発した方がいいんじゃない? そこそこ距離もあるし」

「オレはいつでも大丈夫だ」

「同じく」

「私もすぐにでも出発できますよ」

「早いにこしたことはないし。ならすぐにでも出発しようか」

「今からならロルパッラの町ぐらいまで行けるんじゃない?」

「もっと行けるだろ?」

「どう考えてもあの町を過ぎたら次の町まで行けるわけないでしょ?」

「野宿すればいい」


 ゴウは当たり前だと言わんばかりにそう言った。


「野宿なんて嫌よ」

「何を今更。散々してきただろ」

「だから嫌だって言ってんのよ! こっちはちゃんと経験から拒否してるんですー! アタシはちゃんとご飯食べたいの。それにボロくてもいいからちゃんとベッドで寝たいの! あとお風呂も入りたいし」


 理由を並べていくアリアに対しゴウは深い溜め息をつき小さく呟く。


「わがままが」

「こちとらアンタみたいに野生児じゃないの。シティーガールなのよ。仕方ないなら我慢するけどちゃんと町に泊れるならそうしたいわ。ねっ! フローリー」


 そしてアリアは同性であるフローリーを仲間に加えようとしたのか彼女に同意を求めた。


「そうですねー。アリアさんの言うことも分かりますが、少しでも先に進むべきというゴウさんの言うことも分かります」

「どうせその町に泊っても大して変わらないわよ」

「どちらにせよ出発はした方がいいんじゃないか?」

「ソウの言う通りだね。とりあえず出発しようか」


 結局どうするかを決める前に勇者一行は東の森に向かう為にセルガラ王国を出発した。




<こうしてエイリアンという新たな強敵を前に宿敵である魔王と手を組む事になった勇者マルクは新たなる旅の一歩を踏み出した。敵は変われど世界の平和の為、彼は聖剣と世界の期待を背に仲間と次なる目的へと歩み続けるのだった>

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エイリアンの侵略に人類は魔王と手を組んだ 佐武ろく @satake_roku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ