場内をお散歩

 前述しましたが今回6時間の長いレース。渡りに船とスタンプラリーの用紙もいただきました。企画にのっかりついでに、コースの西方面へと足を運んでみます。

 こういう移動中は、自然と駐車場に目が向かうワタクシですか……今回、あんまり「お高い」クルマはない感じですな。さすがにスポーツカーに車種が偏るものの、ビート、ロードスター、トヨタ86、スバルBRZ、スバルWRXと来て、頂点はポルシェ・ボクスターあたりでしょうか。わりと身近なラインナップです。

 普段見かけないクルマというと、ここでもトヨタの水素燃料電池車、MIRAIが目立ちましたね。これも来年のプロモーションの一環でしょうか。

 ……と、スタンプラリーのポイント、富士スピードウェイホテルに着いたら、ををっとロールスロイス。デカいぜ。そして静かだぜ。さらにエントランス前にはフェラーリ・ラ・フェラーリの姿も。このエリアではさすがにハイソな雰囲気が漂っております。


 ひととおりスタンプラリーをクリアした後、私の足はようやくコースに向かいます。

 この時間帯になると、各車ほどよくバラけてきて、エンジン音の違いがよく聞き取れるようになってきました。高い音、低い音。澄んだ音、地響きのような音。共通するのは、F1や国内レースとは少々毛色の違う、野太い感じの音だということです。これは吸気制限装置リストリクターのゆるい大排気量エンジンならではでしょうね。うん、この「音」を一度体感してみたかったのですよ。

 最終パナソニック・ターンを見た感じでは、ハイパー・カーはわりとインベタでクリアしている印象でしたね。私がグランツーリスモで富士走る時なんかは、ここアウトから入って、アペックスを奥に取って、真っ直ぐメイン・ストレートへの加速距離を確保する感覚なのですが。このへんクルマの性格の違いか、レース距離を見据えてのことか、それとも技術の違いか。どっかでエンジンに比べて車体に余裕があると、こういうヘアピン系のコーナーで小回りのライン取りになると聞きましたが、さて。

 さらに13コーナーからダンロップ方面へ。まず思ったのが、ダンロップコーナーが「意外と大きい」曲がりだな、ということ、これもグランツーリスモの経験から、ちょこちょこっと右、左、右ととにかくここだけゆっくり走るコーナーと言う印象だったのですが。外から見てみると、意外と「ゆったり」とした曲がりで、13コーナー、さらにはGRスープラコーナーからパナソニック・ターンまで「ひと続き」のレイアウトであることが納得できます。

 ここでの各車の身のこなし、とくにハイパー・カーを見た印象は……スーパーGTよりは機敏だけど、スーパーフォーミュラよりはルーズだな、という感じでした。左右の切り返しで、まだほんの少しだけ「慣性」が残っている感じ。プロトタイプ・カーが「あくまでハコ」の一環として位置づけられる所以ゆえんでありましょう。


 この間、ワタクシあちこちの入り口から観戦エリアに出たり入ったりしているのですが……その感想を率直に述べると、観客の管理はずいぶん自由放任だな、と思いました。ゲートで観戦券を見せてしまえば、あとは場内の行動は自由、という感じ。このへんは古き良き自転車レースの雰囲気と通じるものがありますね。

 それと気が付いたのが、プレスの姿が目立たないな、ということ。F1はじめ、インディ、スーパーフォーミュラ、スーパーGTでは、「おいしい」ポイントには常にプレスのカメラが陣取っていて、我々一般観客は「二番目以降」の位置からの観戦を余儀なくされるのですが。このへんは喜ぶべきなのか、それとも「もっとWECにも世間の注目を!」と注文付けるべきなのか。


 この後私の足はコースを逆回りにたどり、ダンロップ・コーナーから300R、アドバン・コーナーへと進みます。

 ダンロップ・コーナーへのブレーキングはワタクシ今回初めて見ましたが……実際、250km/hオーバーから150m足らずで50km/hまで落とすって、ものすごいブレーキですな。それを何事もないようにこなすレーシング・ドライバーの技量には脱帽です。

 そして300R。なんとか写真を撮ろうとスマホをぐりぐり動かして……私は結局あきらめました。

「うん、スマホカメラの反応速度で250km/hオーバーを捕まえるのはムリ!」

 というわけで、今回写真は少な目になっております。あしからず。

 取り急ぎ、モータースポーツにご興味のない皆様にも分かりやすいであろう場内看板をぱしゃり。


 ここまで観てきて、予想はできたことですが、このレース、コース上でのバチバチの競り合いは「ない」です。

 えげつないブロック、あくまでスリップを嫌う左右への蛇行、そんな機動マニューバとはこのレースは無縁です。そう、これはあくまで耐久レース。まずは6時間走り切るのが第一。自分のペースがよければ、おのずと順位は上がっていきます。目の前のポジションをムキになって取りに行くのは愚かな行為なのです。

 ……というわけでここまでレース展開を書いていませんでしたが、スタートで出し抜かれたトヨタも、この時間までにはしっかり「本来のポジション」を回復。盤石の1-2体勢(7号車-8号車)を築いています。

 まあそれでも、ハイパーカー・クラスはそれなりに戦力拮抗している感があるものの、その中で気になったのがフェラーリ。ちょっともっさりとした挙動なんですよね。他のクルマより微妙に「遅い」感じがします。

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