【専門用語・レース描写少な目】2023 WEC 富士6時間耐久レース観戦記
飛鳥つばさ
耐久レースに憧れて
「一度はWEC(世界耐久選手権)を観ておきたい」。
たしか2013年に富士1000kmがWECのラウンドとして組み込まれてから、ずっとそう思っていました。
とくに今年は最高峰の「ハイパーカー」クラスに多彩なメーカーのエントリーが入り、「どうせトヨタの勝ちでしょ」というレースではなくなったこと。そして市販車改造の「LMGTE Am」クラスが今シーズン限りでなくなることが、私に財布の封を切らせました。
いやまたトヨタさんが勝てなくなったから、不況を言い訳にして撤退でもせんうちに、という気分です(苦笑)。
とりあえず推しは一応トヨタ、とくに小林可夢偉選手がドライブする7号車としたものの、スタンスとしては「みんながんばれ」という感じでまったり応援するつもりで現地に向かいました。
あ、その前に推しに1人追加。LMGTE Amクラスのケッセル、57号車に宮田莉朋選手が急遽搭乗することになったので、こちらもひとつがんばれということで。
ルートは富士の定石にしたがって小田急で新松田、そこから直通バス。
なのですが、小田急に乗り換えたところではたと気づきました。
「……あ、カメラ(一眼レフ)忘れた」
ちょっと詰まり気味のスケジュールのせいか、ワタクシど忘れしてしまいました(汗)。
スマホは一応あるものの、高速で移動するクルマを捕らえられるだろうか。一抹の不安を残しつつ、現地着であります。ほぼ同時に11:00、レース・スタート。なにやらポルシェがスタート・ダッシュ決めてフェラーリが飛び出していきなりセーフティ・カーが出ているようですが、長い6時間の中では小さいトラブルでしかありません。ますは腹ごしらえをすべく、アドバン・コーナーエリアに直行であります。
……しかし今回、CRANE GARDENはパドックパスを持つお客様限定でバミられていました。レストランで昼食をいただく野望、今回も叶わず。ぐぬぬ。
しかたがないのでイベントスペースに戻って普通の昼食を物色します。……正直、イベントスペースはスーパーフォーミュラよりもさらに閑散とした印象。これは出展を名乗り出る業者が少ないというより、どうやら主催者の方で制限をかけている模様です。去年のF1のときも感じましたが、このテの世界選手権に共通する「作られた清潔さ」がぷんぷん匂いますな。他のスポーツでもそうですか、ワタクシこういう雰囲気はあまり好きになりませぬ。多少ダーティーなくらいのほうが気分が落ち着きます。
その中で飯屋は、どうやら今回フランス風に統一されている様子です。フランス語よく分からんのですが、なんか「フランス村」と書いてあるっぽい看板がでっかいテントの入り口にかかっていました。フランス料理はお高い感じであんまり好きではないのですが……その中で多少はなじみのあるクロワッサンを本日のお昼にチョイス。
フランスつながりといえば、自転車レースのさいたまクリテリウムのブースが出ていましたな。さいたまクリテリウム……個人的にはあんな茶番、すっげえ嫌いなんですけど。あんな座興にもならないようなお遊びを、仮にも「ツール・ド・フランス」などと呼ばないでほしいのであります。シーズン終わって疲れてる選手に余計な負担かけさせんじゃねえよ。
「Do」の出展では、お子様向けのストライダーのコースが設置されていましたな。うねるバームをよちよちと抜けていく、ときどき抜けていけない姿がほほえましい。
のへのへとお昼を済ませても、ワタクシまだ観戦には向かいません。まずは周辺を一巡り。
まず目立ったのが、トヨタ歴代のル・マン24時間レース出場車両の展示。その中に、唯一マツダ787Bが混ざっていたのが光りました。このへんは優勝車両の特権か。ともあれ古い出場車両を見ていると、経年劣化で濁ったフロントライトガラスに歴史の重みを感じます。
それと今回目立ったのが、水素エネルギー関連の出展が幅を利かせていたことですね。最初のうちこれなんだろうと思いながらほっつき歩いていたのですが、入場の際もらったパンフレットを見て疑問解決。WEC、来年から水素導入だそうです。なるほどそのつながりか。
新しいところでは今年のハイパーカー、プジョー9X8の、たぶんモックアップが展示されていました。このクルマ、特徴としてはリアウイングが「ほとんどない」。左右にタイヤの幅くらいの小さなウイングがあるのみで、リアエンド中央はスッカラカンであります。この思い切りには座布団一枚。さてこれが実戦で吉と出るか、凶と出るか……。
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