第4話初めての魔法

初デートから数日後、今日は魔法の訓練があった。

 魔法の属性適正は小さい頃調べれるが訓練は五歳を過ぎてからだった。

 今日が初で朱雀はワクワクしていた。


「お初にお目にかかります。七草さえぐさ侯爵家前当主をしておりました、七草一郎にございます。朱雀殿下の魔法の教師に拝命いたしました」

 と髭を生やした優しそうな高齢の男性が挨拶してくれる。


「七草殿よろしくお願いします。七草先生とお呼びした方がいいですね」

 と朱雀は笑顔で七草先生呼びするのだった。


 魔法とは火、水、土、風、の四属性があり、特殊に光、闇、氷、雷等がある。

 詠唱はイメージを持たせる為最初は使った方が良いが、戦闘などでは何を使うかバレる為無詠唱が基本だった。


「はい先生。先生は何属性使えますか?」

 朱雀は使える属性を聞いてみる。女神曰く全属性魔力次第で使えるらしいが、適正の方が魔力を少しで使え扱い安いと言うことだった。


「私は火と水が使えます」

 と七草が話す。世界は適正しか使えないと思い込んでいる。魔力量が少ないと適正しか使えない。

 平均魔力量は適正属性は難なく使えるくらいだった。その為適正以外は魔力不足で使えないから適正しか使えないと思い込まれていた。


「すごくです。なっなら複合魔法も使えるのですか?」

 朱雀は目をキラキラさせて聞く。


「えー使えます」

 と七草先生は答える。

 

 二属性使える魔法使いは複合魔法が使えたりする。

「火と水で温水、水と土で沼、土と風で砂嵐、風と火で温風ですよね」

 朱雀は勉強したと話す。

 

「その通りです。威力を強めれば殺傷率を上げることもでき広範囲に攻撃できます」

と七草先生が話す。


「朱雀様は全属性と聞き及んでいます。扱いには充分お気をつけてください」

 と受ける


「それでは練習してみましょう。まずは風からですね」

 と詠唱と風のイメージを教えてくれる。

「詠唱は思い浮かべやすくする為なので変えても問題ありません。風は大気中に吹いていますので覚えやすいと思います」

 と七草先生が説明する。先生は使えないと風属性の説明のみしてくれる。


「風、カマイタチみたいな感じで……」

 朱雀が魔力を手に集め風の刃を飛ばすイメージをして手を横に振った。


「バキ」

 と的が真っ二つに割れた。


「……おおめでとうございます風の刃の魔法ですね」

 と七草先生が成功と褒めてくれる。七草は心の中で一発成功と驚き、末恐ろしいと思うのだった。

 

 その後も火の玉、水の玉、土の玉等無詠唱ででき魔法の練習は終わった。

 朱雀はもっと上の階級の魔法も使えそうだと言うが場所がと遠慮するように言われた。

 城の中の庭で練習していたから朱雀は素直に諦めたのだった。


 朱雀は部屋に戻り考える。

 魔法とはイメージ、日本にいた時にアニメや漫画、小説などで魔法等があった。ファイアボールやウィンドカッター等それをイメージしたらもっと早く出来るのでは無いかと。


 次の日、魔法の練習

 今日は魔法を本格的に使う為城の中の練習場に来ていた。まさか初日で属性を発動出来るとはと国王、王妃に驚かれた。普通は魔力を感じ取るところからが普通である。


「それでは的に当ててみましょう」

 七草先生が朱雀に言う。


「分かりました。ファイアボール……ウィンドカッター」

 と朱雀は昨日思ったことを思い出し、ファイアボール、ウィンドカッターとアニメや漫画、小説でよくある名を言うのだった。

 火の玉が出て的に飛んでいき、風の刃が飛んでいった。

 

「バン」「バキ」

 的に当たり的が燃え、的が真っ二つに割れた。


「……朱雀殿下今の展開スピードは一体と」

 七草先生が魔法発動までの間隔と展開スピードに驚き聞いて来た。


「えーっとなんて言ったらいいか」

 朱雀は説明を求められ焦り迷うのだった。


「火の玉、風の刃とイメージして撃っただけです」

 と朱雀は説明を放棄した。


「…………そうですか。素晴らしい展開速度でした」

 七草先生は諦めてくれて次のお題を出してくれる。


 次は槍系の属性魔法だった。

「ファイアーランス……ウォーターランス……アースランス」

 と朱雀が難なく来なした。


「オホン次は壁です」

 七草は突っ込むのを諦めた。


 朱雀は玉、槍、壁をクリアした。壁はウォールと呼んだ。

 朱雀は日本語よりアニメ、漫画、小説などで使われている魔法の方が展開が早いことに気づきこっちを使うようにした。


「素晴らしいです。基礎魔法は全て習得されました」

 と七草先生が褒めてくれた。二日で基礎魔法全て覚えたのは異常であったが、七草は驚かなかった。いや既にいろいろと麻痺していたのだった。


「七草先生。もっと上の階級は?」

 朱雀は興味津々で聞く。


「もっと上の階級は国王様と話し合って決めさせてください」

 と七草が言う。

 今覚えた魔法は初級魔法と言って一般的に知られている基礎魔法だった。

 中級以上の魔法が使える者は魔法使いと言われる。


「分かりました」

 朱雀は少しガッカリするが国王に意見を聞かないといけない事は理解した。


 二日目の魔法の練習は終わった。

 朱雀の予定は週が七日あり、一の日、二の日が魔法の練習、三の日、四の日が勉強、五の日がダンスの練習、六の日、七の日が休みになる。四週周り一月が終わる。


 休みの日、城の後宮手前の部屋に居た。

「す朱雀、おはようございます」

 姫乃がやって来て挨拶してくれる。

 

「フフ、おはよう姫乃」

 朱雀も挨拶し、まだ名前呼びを緊張している姫乃が可愛いと思うのだった。


「あれ?その服」

 と朱雀は姫乃が来ている服をジッと見る。


「はい先日朱雀に頂いたものです」

 姫乃は頬を赤らめ答えた。


「似合ってるよ」

 朱雀は姫乃の服が似合ってると褒め、ポケットからある物を取り出す。


「これ受け取ってくれるかな?この前魔法の勉強して作った魔道具で風の守りが付与されている」

 と朱雀は風の壁が付与されている魔道具のネックレスを姫乃にプレゼントしようと持ってきていた。


「よろしいのですか?」

 姫乃が受け取っていいのか聞いてくる。初めて作った魔道具は自分の宝となるからである。


「うん。もらって欲しい。敬語も無しね!」

 と朱雀は笑顔で笑う。


「ありがとうございます。ありがとう」

 姫乃はお礼を言い直しネックレスを受け取った。


「姫乃様失礼致します。もしよろしければ朱雀様に掛けて頂いてはいかがでしょうか?」

 とセバスチャンが姫乃にアドバイスする。


 姫乃は頬をボッと赤くして

「あ、あのお願いしても?」

 と朱雀にネックレスを手のひらに乗せ前に出す。


「ううん」

 朱雀も頬をボッと赤くしてネックレスを受け取り、姫乃の首元にネックレスをかける。

 朱雀は前世でもこんなシチュエーション無かったよと思うのだった。

 

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