第2話誕生パーティー
教会で倒れはしたがその後は問題なく城に戻って来た。メイドの奈々にも心配かけたのだった。
数日が経ち、今日は誕生パーティーの日だっだ。五歳までは死亡率が高く五歳でようやく社交に顔を出せるのだ。
「おはようございます」
朱雀は国王、王妃に挨拶して食事をとるのだっだ。
食事を食べ終える頃
「やあ朱雀元気そうだね」
「ハン属性なしが」
二人の男子が入って来た声をかけて来たのは第一王子と第二王子だった。
「こら剛」
王妃は翔を注意する。王妃は第二妃の子でも嫌わず子として見ている。
第二妃の子には王位継承権が無く、第一王妃の子が王位継承を持っていて朱雀が持っている為、王の名の朱雀となった。
東の国の王は玄武、白虎、青龍、朱雀と決まっているのだっだ。
「オホン。今日は朱雀の誕生パーティーだ婚約者も発表する」
国王は朱雀に婚約者に合わせると言うのだった。
「えっえっお父さん聞いてませんけど」
と朱雀は初耳と驚きながら答える。
「これは国王としての命だ」
国王は厳しい顔で言い有無を言わさなかった。
「かしこまりました。国王陛下」
朱雀は了承するしかなかった。
「誕生パーティーは十の鐘からだ」
と国王が言いその場を後にした。
「まー驚くわな俺の時もそうだった」
と豊が話してくれる。豊と剛は第二妃の母と食事を摂っていてその時に言われたと教えてくれる。国王は三日に一度は側姫と食事を食べていて王妃と朱雀とは食べていないかった。
「お兄さん達もそうだったのですね」
と朱雀は驚くのだっだ。
王族はそうなんだと納得するしかないと思うのだった。
朱雀は宰相や貴族から痛い目で見られているが、教会の一件以来国王に属性は全て使えると信託があったと伝えると、手のひらを返してゴマを擦り始めたのだった。
十の鐘がなり正装で大ホールに入場する国王、王妃、朱雀。
「皆良く集まってくれた。第三王子朱雀が五歳の誕生日を迎え皆に紹介したい」
と国王が大ホールの階段の上段から挨拶をする。
「改めまして、五歳の誕生日を迎えることが出来ました朱雀です。今後ともよろしくお願いします」
朱雀は挨拶をするのだった。
拍手され歓迎される。
「婚約者も発表する。一ノ
と国王が紹介して一ノ瀬姫乃とその父侯爵が壇上に上がって来る。姫乃は銀髪のロングヘアでお人形かと思うくらいに可愛いらしい顔立ちだっだ。
侯爵と姫乃侯爵令嬢が他の貴族に挨拶し、姫乃は朱雀の横に着くのだった。
各貴族が挨拶しにやって来て挨拶する。
「東野朱雀です。改めてよろしくお願いします」
と朱雀は公爵に挨拶する。
公爵も挨拶し公爵の第一子が挨拶する。
次に侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵の順に挨拶と子息令嬢が挨拶にやってくる。
挨拶が一通り終わり疲れたので少し休憩してから、朱雀と姫乃は二人揃って子息、令嬢の居るスペースへ歩いて行った。
「ちょっとあの子が婚約者ですって、私の方が……」
などとコソコソ聞こえる。
「えーっと姫乃嬢、外の空気吸いに行きませんか?」
朱雀は周りのコソコソ話を気にして庭に出た。
「申し訳ありません」
姫乃が謝ってくる。
「なぜ謝るのですか?」
朱雀は首を傾げ姫乃に聞く。
「私が不甲斐ないばかりに……」
と姫乃が下を向く。
「あのですね私は姫乃嬢が不甲斐ないなんて思ってないですよ。今日婚約者と知ったばかりなのでこれからいろいろと知っていくんですよ」
と朱雀は下を向いた姫乃を覗き込んだ。
「ふふそうですね。末長くよろしくお願いいたします」
と姫乃が笑顔になりスカートをちょこっと上げるのだった。
パーティーは無事終わり、朱雀はリビングに居た。その横の席には姫乃が居て向かいの席には国王と侯爵が座っていた。
「それでは改めて……」
と国王が侯爵を紹介しなぜ姫乃を婚約者にしたかを説明してくれる。
結論から言うと侯爵は朱雀が魔法適正無しと知っても態度を変えなかった事と国王からの信頼も厚いことが上がった。
姫乃とは一度だけ城で会っていたのもあるらしい。
魔法適正検査の日に会っていた。当時は適正無しと診断され、貴族の子息令嬢は朱雀に近づかなかった。数人を除いては。その一人が姫乃であった。
朱雀はそのことを覚えていて反対はしなかった。反対しても国王の命だから無理なのもあるが朱雀的にもあの時は救われた思いだった。
「朱雀は王位継承権を持っている。今のところは朱雀だけだ。今後は勉強にも力を入れてもらう。今日の挨拶では国王としては不十分だ」
と国王は朱雀に下りすぎず威厳を持てと厳しい意見を言う。
「精進します」
朱雀も国王になるならもっと威厳を持たないとと思い納得するのだった。
「はー本当に子供か?」
と国王はボソッと呟くのだった。
「朱雀様姫乃のことよろしくお願い致します」
と侯爵が頭を下げる。
「こちらそこ……いえ、まずは姫乃嬢のこと守れるくらい成長します」
朱雀は侯爵に宣言するのだった。
「朱雀様」
姫乃は頬を赤らめ喜ぶのだった。
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