第7話

 また、影のある笑顔。


「お前のことを話せよ」


「私ですか?」


「なんで強いんだよそんなに。この町でいちばん強いわたしよりも強いとか」


「ええ、まぁ」


 またか。肝心なことに関しては、ええ、まぁ、で通すつもりらしい。

 仕方ない。

 わたしから話すか。


「居場所がなかったんだよ。髪のせいで」


 生まれつき、金髪だった。両親は黒髪なのに。


「だから、やさぐれるしかなかった。清楚じゃないとか、親が違うんじゃないかとか、言われて。しかたがないから、家にも帰れなくてここでずっとゲームだよ」


 店長とは、そのときからの仲だった。といっても、店長は機械なので話し相手にすらならないけど。


「こうやって、暗い店内でな。このゲームだけ灯りをつけて。ずっとひとりで。そういう人生だし、そういう強さなんだよわたしのは」


「へぇ、だから強いのに弱いのか」


「さぁ、話したぞ」


 次はお前の番だ。

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