第4話

 対戦射撃ゲームが、空いている。

 滅多にないことだった。この町の娯楽の頂点に位置するものなのに。さっきの喧嘩が響いたのか。


 なんとなく、眺めていた。数年前は、世界を飛び回って、常にあのゲームと共にあったというのに。今はこんな辺境の町で、意味のない治安維持をしている。


「おい」


 ん。

 俺か。

 なんだ。


「座れよ。できるんだろ?」


 やさぐれものの長の女。

 まだいたのか。いざこざも終わってすぐ帰ったと思っていた。


 それよりも。

 俺を知らないのか。


 いや、まぁ、当然か。顔出ししてなかったし。


「いいですよ」


 促されるままに、座る。隣。対戦射撃ゲーム。


「始めるぞ」


「どうぞ」


 何が面白くて、反目している組織の長とゲームなんか。

 数年ぶりか。

 うまく身体は動くだろうか。

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