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依頼調査 3日目 PM 2:10 すすきの 雑居ビル
調査を開始して、3日目。今日は週末のため、学校は休みである。そのため、私は今『
『
そうも感じるのは、魔術師故にアルコールでは酔えない体質と言うのもある。
「中々にいい酒だ。どこで仕入れたの?」
「『
「なるほど。それじゃ、この酒はこのボトルだけでかなりの額になるわけか」
「さすがね。いい着眼点だわ。これだけで、数千万はくだらないという代物らしいわ。何せ、50年ほど寝かせた最高級のウィスキーですもの」
「なるほど。こんなもんをこんな真っ昼間から呑んでるなんて、普通の人間じゃ背徳感で酔いしれるだろうね」
『
「これは?」
「あの教室で起こってる、いじめ問題についての一通りまとめた物よ。元々、起きているいじめが度が過ぎていたそうよ。
スマホの破壊、SNSでの誹謗中傷、カツアゲ、度が過ぎた嫌がらせ。それによって
教師達も、頭を悩ませてるそうだけど、ある日を境に起きなくなったらしいわ。それも、忽然とね」
「それが、彼らが魔術を覚えた日と一致してると。どこの馬の骨の入れ知恵によるものと発覚したが、運悪く執行者がアフガンに行っているってわけか」
「まぁ、そういうことね。でも、彼らが気づいた理想郷も、崩壊していってる。それも、『
『
そう。まだあの教室に、何か仕組まれてるのか気になっているからだ。あの2つ意外に、まだ魔術が仕込まれてるのか、それさえわかれば後はあのいじめグループを改心だけなんだ。
「そうだな。だが、あの教室には、まだ不可解な魔術が仕込まれてる気がしてやまない。結界、糸、後は何だ? どうも、何か引っかかって仕方ないんだ」
「言われてみれば、そうね。糸はともかく、結界を解呪しただけでは、あの陰湿の感じが取れないのも疑問よね」
私と、『
ふと『
「『
「あら? 何かしら、これ? 気が付かなかったわ」
「しっかりしてくれ。君が気付かないんじゃ――――――――――待てよ」
私は、何か閃いた。『
すると、『
「これは、一体?」
「GPSの応用を活かした、微粒子レベルで付着させて、位置を把握するための魔術か。
となると、あの教室には苗となる何かが、いることになる。それも、透明になってる何かが」
「なるほど、それじゃわからないはずね。となると、あの陰湿な空気は、そいつが元凶というわけね」
私と『
考えるだけで、謎が深くなる。ここまで練度が高いと、早々に止めないといけなくなる。
だが、最も手っ取り早いのただ一つだ。
「夜中に、あの教室に行って確かめるしかないか」
「そうね。夜中なら誰もいないはずよ。それも、週末ならね。でも、ここ最近はセキュリテイがかけられてるから、そこを気をつけないといけないわね」
「中々詳しんだな」
「えぇ。新しいものには、柔軟に慣らしておかないとね。あなたも、そうしないとうっかりを起こした時にどうにもできないわ」
『
ともあれ、夜中にあそこに入り込むルートを模索しないといけない。そう考えてると、『仮面の魔女』は私にある紙を渡す。
「これは?」
「あの学校の非常口のルートよ。これを参考に、入りこむといいわ。その緑の標識のある所は、セキュリティがかかってないはずよ」
「わかった。参考までのもらっておくよ」
私は、お代を置き、ここを後にする。
「いつもの奴、置いておく。また何かあったら頼むよ」
「えぇ。確かに受け取ったわ。それじゃね、アル」
私は、1000枚の1万円の束を入れた紙袋をテーブルに置き、『
雑居ビルを出ると、ぞろぞろと不良生徒達が集まってきた。
「やれやれ、何のようだ?」
「待ちくたびれたぜぇ。昨日のお返しに決まってるんだろ?」
「お返し? それは君らが勝手に喧嘩を吹っかけて返り討ちにあっただけだろ?」
「へ、それは手加減しただけだ。ただ、今回は本気だぜぇ! テメェら、やっちまえ!!」
不良達は、一気に私に襲いかかる。私は指を鳴らすと、彼らの動きを止める。
「か、体が動かねぇ……」「どうなってんだ……。動こうとすると、すげぇいてぇ……」
「て、テメェ! 何をしやがった!?」
「動きを止めさせてるだけさ。影を縛ってな」
「くそ、クソが! あの人に教わった魔法で、お前なんて一発だ!!」
リーダー格の学生は、魔術を唱える。
「死ねぇ!!」
彼が唱えた魔術が、私に直撃する。しかし、私には何一つ傷がつかない。
「そんなものか、なら、手本を見せてやろう」
私は、大きめの火球を展開をする。それを見たリーダー格の学生は逃げ始まる。
彼が逃げた先には、銃口が構えられていた。
「はいはい、そこまで。そんなの放ったら、こいつどころか、この街が火の海になるんだけど?」
「明日香か。何できたの?」
「何でじゃないよ。『
明日香は、銃を向けながらやってきた。私は火球を消し、彼らを縛っていた魔術も解き、解放する。
彼らは、とんずらするように、その場から逃げる。そんな彼らを見送るが、振り向くとまだ1人だけ残っていた。
「君は逃げないの?」
「逃げる気はない。あんたが『魔女』であることを確かめた。ただそれだけだ」
「なるほど。それじゃ、その首を差し出すってことにしてもいいのかい?
何も関わりもない人間が、『
「あぁ、知ってるさ。あんたがその名を嫌ってることもな。だから、あんたに屈する事にした。それだけさ」
「いいのかい? それは、彼らを裏切ることになるけど?」
「元々、何の情も感じていないからな。それに、こんなことにも嫌気がさしていたからな」
彼は、何かあったのか私に屈するみたいだ。私は、興味がわき、彼を事務所に連れて行くことにする。
「なら、私の事務所で詳しく聞こう。それでいいかい?」
「構わない。俺が知ってる事は全部言うつもりだ」
私と明日香は、彼を連れて事務所に戻る。
こうして、思わぬ収穫が出たが、私は夜ための準備を始めるのだった。
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