第60話 深まる謎とお少しの真実
「氷川がある時俺に......『万季は俺の事が好きな筈なのに最近変な男にストーカーされてソイツに取られそうになってる、そんな万季を俺は確実にモノにするためアイツの親をダシに使う』と言ってた。それを聞いた当初はただお前から万季を奪い返したかっただけのように聞こえたよ。そしてその後氷川に『他の男に走った腹いせにアイツには罰として少しの間お前らのオモチャにさせるからその時はよろしく』って言われたんだ━━」
「へぇ......ていうかそれだけ? 万季の親をダシにした内容は?」
俺の問いかけに怯えながら大葉は答える━━。
「それは......分からない......だが青海自身じゃなく親をダシにするなんて子供じゃ出来ない筈だから氷川の親が関わってるのは間違いない......」
「......は? お前使えないな、前話で軽く引っ張っておいてオチはそれか? クソショート動画より下らない戯言にコッチは付き合ってる暇は無いんだよ。お前の親父も待ってるし続きを始めるよ━━」
「ま......待ってくれっ!」
俺の言葉に大葉は必死な表情を浮かべて震えながら更なる情報を話し始める━━。
「た......確かに俺には氷川と青海の間で何があったのかは分からない......だがアイツはお前にあの現場を見られる直前『予定が急遽変更になった、黒羽真央を死ぬ寸前まで追い込め』って言ってきたんだ。俺はお前が青海をストーカーしてた事に対して氷川が遂に我慢の限界を迎えた最初思ってた......だがお前が死んだ後アイツから言われた一言で少し違和感を覚えたんだ!」
「ほう......その一言は? 考える脳みそが無くなる前に早く話せ」
「......アイツはお前が死んだ後『お前の親父と校長が黒羽のイジメ
確かに少し変だ......。
普通に考えればそのセリフは世間にバレずに済んで良かったと思える口振りで納得出来ると思う。
しかし大葉達と違って直接手を下していない氷川は仮にチクられたとしても教唆した証拠は無く、大葉の狂言だと氷川が言えば幾らでもシラを切れるし青海の親をダシに使えるくらいの力があるならホッとする必要なんてない筈だ......。
それなのにイジメ自体が揉み消されただけでそんなに安堵していたのは何故だ? まさか━━。
「......それで他には? そもそも俺は自殺なんかしていないんだが?」
「え......? それ本当か!? 俺はてっきりお前がイジメの所為で自殺したもんかと......」
コイツも俺が自殺したと思っていたのか......。
そう言えば今まで俺をイジメていた人間も俺が自殺したと思っていたよな━━。
「いや違う......俺はあの日誰かにホームに突き落とされて殺されたんだよ。その真犯人ってのはお前の知ってる奴じゃないのか?」
「いや知らねぇ! 氷川も俺もあの日の帰りは合流して一緒に居たし、お前が死んだのは後から聞かされたんだ。それに知ってたらもうとっくに話してるだろ......? なぁ......これは嘘じゃない......俺が知ってるのはここまでなんだ!」
大葉の表情と必死な口調から察するに本当だろう━━。
であるとすれば一体誰が俺を突き落として殺したんだ......?
まあとりあえず今言える事はもうコイツから聞く話は無くなったって事だけだ━━。
「そうか......そこまでしか知らないのであれば後は俺にやった事をそのままお返しして殺してやるよ。《
俺は手に青い炎を纏い、大葉の腹に刺さってる無数の針に熱を加える準備をする━━。
「ま、待ってくれ......そうだ......俺を今殺さないでいてくれればお前の為に青海と氷川の間に何があったか事細かく聞いてやる......! だから頼む......命だけは......!」
「ふっ......お前発言が矛盾してるぞ? 殺して欲しいのか生きたいのか一体どっちなんだよ。なら一つ聞くが万季には
「分かった......オモチャになった青海にはお前が死んだ後くらいから俺達の小銭を稼がせる為に無理やり下着姿にしてマイナーなエロサイトにアップしたんだ、そしたらアイツが可愛いお陰か海外からの再生数が結構多くて稼いでくれてラッキーだったよ......。後はイライラしてる時やスカッとしたいときに服で隠れてる部分を思いっきり殴ったり蹴ったりした......お前が死んで手頃なサンドバッグが居なくなった代わりと思ってさ。殴っても少しの青アザなら撮影時に照明と化粧で消せるって田所が言ってたしその辺は上手くやってたよ━━」
万季もコイツらに結構酷いことされてたんだな......俺が生き返って再会した万季が何故か暗くて様子がおかしかったのはこういう理由だったのか。
その俺も死ぬ前は同じ立場だったから誰にも相談出来なかったのはよく分かる......だが━━。
「......それに青海のヤツ俺らがどんな事をしても一言も文句言わないんだぜ? まるで飼い慣らされたペットのようにさ......。氷川の指示で処女
大葉の顔を改めて見るとその当時の事をしっかり思い出したのか少しニヤニヤしていた。
やはりモンスターはどこまで行ってもモンスターもままだな......ある程度年重ねた人間の更生なんて確実に不可能な話だと改めて思えたよ━━。
「そうか......俺も今やってる事は完全に外道の悪だがお前らはそれにすらなれない本物のクズだな......。お前を殺す理由を一つ増やしてくれてありがとう━━」
「っ......! で......でもお前の指示通り心境も含めて正直に話したろ? それに俺は氷川に近い人間だから必ずお前の役に立つ筈だ......分かってくれ......!」
「ふっ......お前が今後役に立つとしたら俺の手で肉骨粉にされて牧草の肥料になる事くらいだ。それにお前なんて居なくても氷川と万季の2人にはそのうち金屏風をバックに会見開いてもらうから問題無いよ。そもそもお前みたいなクズの断片的な情報なんて全く当てにならないし、どっちか片方だけの
「そんな......俺はまだ......」
「悔やむなら嬉々としながら俺をイジメた過去の自分と女にモテないそのブサイクな性格を悔やむんだな━━」
俺は大葉の言葉を無視して青い炎を纏った火球を腹に刺さってる針に纏わせると針の細さからかあっという間に熱が伝わり鈍色から赤色に変わる━━。
ジュゥゥゥ......。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ━━!」
ヤツの肉が焼ける音と香ばしい匂いが辺りに広がりまるで焼肉をしているような気分になる━━。
「おいおいまだミディアムレアになった程度で騒ぐなよ? この鉄が溶けるまでこの後熱してお前の皮膚をしっかりウェルダンにしてやるから心配すんな」
俺は更に火に力を加えて更に温度を上昇させる。
すると赤色を帯びていた針は徐々に白っぽく色を変えてようやく溶け始める━━。
「ク゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!」
そして溶けた鉄が綺麗なMKという文字を描いたのを確認した瞬間俺は火魔法を解除してそのまま空冷させた。
「おーおーいくら回復魔法を掛けてるとはいえよく体が燃えなかったな......スゲーよお前。ならこれも大丈夫そうだな......《
俺は金属魔法によりとある金属を生成して大葉の顔の上に浮かせる。
すると大葉は意識を朦朧とさせながら俺に尋ねる━━。
「ぐ......ぁ......なん......だ......それ......」
「カドミウム」
「は......?」
「カドミウムだよ知らないのか? お前には最後の仕上げとしてこれをカップスープみたいに飲んでもらうんだよ」
「そ......んな......飲める......ワケ......」
「飲めるんだよそれが......このカドミウムは低融点金属と言ってかなり低い温度で溶けるんだ。鉄の融点が1538℃に対してカドミウムは321.03℃、鉛より少し低いくらいか? 昔の偉い皇帝様は水銀を不老不死の薬とアホな勘違いして飲んでたんだってさ。お前もフ○ーザみたいに不老不死になりたいだろ? だったら一杯行っとけって、今回は俺の奢りだ━━」
俺は空中に浮いているカドミウムを火魔法で熱して液体へと変える。
「ほらよホカホカカドミウムの完成だ。デブのお前がいつも
俺は液体になった球状の金属を大葉の口元に寄せる。
その温度の高さから大葉の頬や口周りは熱で少し赤くなっていた━━。
「やめ......ろぉ......」
「遠慮すんなよ......もう時間切れだ━━」
トロォーッ......。
寄せた金属をまるでドリンクバーのように口と鼻に目掛けて注いでいく━━。
ジュゥゥゥ......!
「ク゛フ゛ホ゛ホ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ......! オエッ......ゴブッ......ゴボボボァッ......っ......」
「ほらもっと遠慮せず飲みなよ。あっ......今の時代アルコールハラスメントもあるからこの場合カドミウムハラスメントになるのか? コンプライアンスに引っかからないように来世から気をつけないとな......」
「○*€%°#*〒〆ッ......」
垂らされた金属は大葉の口と鼻の穴を流れ肉が焼かれた音を出しながら奥へ奥へと入っていく。
しかし冷たい皮膚と接触した事により凝固を始め、息が出来るスペースが完全に無くなり金属の熱さと窒息の所為で大葉の顔は真っ赤に染まった━━。
「これで二度とタバコと美味しい空気は吸えなくなったな。窒息死する前にレア素材の脳みそをお前の身体から剥ぎ取って片手剣の素材にしたらオヤジンオウガ討伐のクエストに入るよ」
「○%>$°#*・:〒¥☆ッ......!」
大葉は力無く首を振りながら俺に止めて欲しいような態度を取る━━。
「お前って可愛い顔のヤツが泣きそうになってるのを見るのが好きなんだろ? 俺はラージ○ンみたいな可愛い顔の男が死にそうになってるのが好きなんだ。ではそろそろお別れの時間がやって参りました━━」
ガシッ......メリメリッ......!
大葉の頭を思いっきり鷲掴みにして指を骨に完全に食い込ませる━━。
「○*△£♤#□+*#¥$〒〆ッ......!」
「さよならだ大葉君、君には先に狩られた他のモンスター達が手を伸ばして待ってるよ。そこで寝たフリこいてる万季を苦しめた分も後悔しながら死んでゆけ......!」
「っ......!」
「☆€%+÷×〒〆◎*◇□ッー!!」
メリメリッ......ザシュッ......!
完全に指は頭蓋骨を貫通し、脳みその中に思いっきり指を突っ込む━━。
「じゃあねバイバイ」
ガシュッ......ズッ......ブシャァァァァッ......!
大葉の頭は俺の手によって顔から脳みそごと引きちぎられた結果頭部からは大量の血が溢れ出し、中の肉が丸見えになった━━。
「.......」
「栄一......えいいちぃぃぃぃっ! そんな......」
「ようとっつぁん、息子が人体の不思○展にされた気分はどうだ? 最高だろ? そんなアンタには入場特典として息子のカニみそをにくれてやるよ━━」
「ひっ......!」
俺は息子の脳みそと頭蓋骨をセットで大葉父に放り投げた。
「待たせたな、次のゲストはお前だ......これまでの解体作業を見てたら口が余計に滑りやすくなったろ? 今日は丁度月曜だし今からしゃべ○り007を始めるよ━━」
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