第47話 月野レイの復讐


「やめろぉぉっ! 父さんに手は出すぶぼぇっ......!」



 俺は口を挟んできた海原jrを軽くぶん殴って気絶させると残りの希望だった彼の歯は全て砕け散った━━。



「大きいデシベルで喋るなよ、アンタはデザートにとっておいてやるから1ターンお休みだ...... 《メル》」



 俺はヤツの服を引き千切り生成した大量の樹液を海原jrにドレッシングのように掛ける。



「......良いパンケーキになったな」



 ここは沼に近い小さな湖なので森から良い感じに虫達も寄ってくるだろう......まあそれだけじゃ終わらせないがな━━。



「お前さえいなければ私はまだ生きていられたのニ! シネ......死ネ......死ねっ!」


「ク゛キ゛ッ......ク゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ッ━━!」



 俺は再び海原父の方を見るとレイがグサグサと体に何度も何度もレイピアを滅多刺しにしていた。

 恐らく自分が殺された方法の仕返しなんだろう......刺した傷口からは肉は抉れ骨が見え、服もただの布切れになり殆ど裸の状態でボロ雑巾のようになっていた。


 だが海原父にはいつも通り精神耐性の魔法と回復魔法のバフを掛けている為死ぬ事は無い━━。



「ぐぁ......頼むレイ......やめでぐれぇぇ......!」


「やめなイ......私が受けた痛みはあの時こんなモンじゃなかっタ......。私はこんなクソ野郎に騙されて......うぅっ......死ネッ......!」



 ザシュッ......! グチョッ......!



「ク゛ア゛ァ゛ッ! だ......騙すつもりは無かった、仕方なかったんだ! 私の事務所に所属しているアイドルはみんなやってる......そうやって有名になっていく所謂登竜門なんだ! 逆に目を掛けてたって事で感謝して欲しいくらいだよ......!」



 海原の一言にレイの目はハイライトが消えた━━。



「感謝......? そんなのがまかり通ってるのがおかしいってわからないのかな......。私を殺して気持ちよかったんだよね......興奮してたんでしょ......? アンタみたいなクズが扱いきれない権力を持つから歪みが生まれてみんな不幸になるんだよ。私の大好きなお姉ちゃんまで殺そうとして......私からどれだけのものを奪えば気が済むの......? ねぇ教えて......? ねぇ......ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ━━?」


「いやっ......! そんなつもりは! それに俺を殺しても会社は━━」


「ふふっ......私もそんなつもり・・・・・・で刺してないから.......今は貴方がその気持ち悪い顔で苦しみを私に見せながらその穢れた身体から流れる汚物のような血が見たいだけなの━━」



 ザシュッ......グシュッ......!



「ふふっ......良い顔してる......」



 レイの怒りから来てるものか分からないが、少しカタコトだった喋り方から憎悪に満ちた悪魔のような低い声と共に流暢になっていった。


 そして串刺しにされた海原は全身血だらけで顔にも無数の穴が空いていた。

 右目もレイピアで刺され貫通し脳へ達していた為、二度と右目と右脳は使い物にならないだろう━━。



「そうそうシャッチョさん、後ろ盾の会社はアンタを殺したついでに倒産へ追い込むから心配要らないよ━━」


「やめで......ぐれ......かはっ......。だのむみよぜくん......たずげで......」


「ちょっと何言ってるか分からないな。にしてもレイは優しいよ......ただ刺してるだけで全然こんなの残酷なカテゴリーに入らないもん。本職の僕が手伝ってあげようか?」


「うん......どうすれば良い?」


「まずこうやってやるんだ......《ノワークラ神の剃刀》」


「なっ......やめ......キ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ッ!」


 

 俺はヤツの尿道内に剃刀の刃を無理やり生成しそれをノコギリのように前後に激しく動かす。

 すると股間から真っ赤な血がボタボタ垂れ始めた。



「いっ......コイツに一体何をしたの!?」


「去勢手術さ、盛りがついた老獣がそこら辺の女に襲いかかると大変だろ? SNSで無駄に男叩きしてる似非フェ○ニストたちに敵視されない為にも股間をグッバイしてやるんだよ。しかし痛そうだなぁ......僕には想像つかないや」


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ......! だぐげでぐははやあま......」



 海原父はのたうち回ろうと手足を動かし有刺鉄線で縛られた皮膚は千切れて血が流れるが、股間の痛みはそれが気にならないほどの激痛なのだろう━━。



「......私には分からないけど想像するだけで痛そう......」


「確かに激痛すぎてアイツ今噛みまくってたもんね。そんな噛み噛みじゃ立派な声優になれないぞ! Go○gle評価2.5点の佐々木アニメーション学院で学んだことを忘れたのか!? 腹から声出せ! 腹からっ!」


「ウ゛ア゛ア゛ォ゛ォ゛ッ!」



 海原は必死に痛みを乗り切ろうと股間に力を入れるが、手足を縛られている所為か踏ん張れず悶絶していた。



「コイツ今までぬるま湯に浸かって生きてきたから根性が無いのかな......世の中のサラリーマンはそれくらいの事じゃ我慢して普通に仕事してるぞ? それを見習おうよ。まぁそんなに辛いなら僕が排泄を手伝ってやるか━━」


「い゛や゛た゛......や゛め゛て゛く゛れ゛ぇ゛ぇ゛!」



 グシャ......グシュ......グチョ.....ブシャァァァッ━━!



 俺は刃を尿道内で無理やり回転させ、こじ開けるように陰茎ごと切り刻む━━。



「ア゛ァ゛☆#¥€+>=#→☆・○*€%°#*〒〆〜!」



 股間から噴水のように血が吹き出し、内部に潜んでいた剃刀の刃が肉にぶら下がっているのが見えた。



「あれじゃもう二度と立ちションは出来そうにないな━━」


「ぐぉぇ......はひ.......うぐぅ......おぇ......」


「......アイラのこんな一面初めて見た......ドSすぎる......」


「ギャップがあって良いでしょ? 犬系彼氏の本性は狂犬系彼氏だった的な。今度UFOキャッチャーで4000円使って泣いてみようかな━━」


「......なんの話?」


「いやなんでもない。さて次はどうする? そろそろおしまいにする?」


「うん......刺しまくってやり返したしコイツは屍も同然だしスッキリした。それにアイラもいろいろやってくれたから......この後はもうアイラとイチャイチャしたいの」


「ははっ......レイも十分狂ってるよ......S○W見ながら飯食えるタイプだな。じゃあ俺はまだやり足りないから少しだけ━━」



 ザクッ......!



「☆#¥€+>=#→☆・○*€%°#*〒〆〜!」


 俺はレイピアをヤツの肛門からブッ刺してそのまま喉元まで貫通させた。



「かはっ......は......はぉ......」


「なんか......マジシャンがよくやる手品の逆バージョンみたいになったな。さて最後の仕上げだ、 《パウルス・リクオル小さな液体魔法》・《メタレイア金属魔法》」



 チャプン......。



 俺は直径40cmくらいの水球を作り海原父の頭に被せる。

 そして金属魔法で金属カリウムを生成し、空気に触れないように液体魔法の応用で油を生成して金属を包み込む。



「ゴァ......ゴボボボボ......!」


「さて問題、水の中にこの金属カリウムを入れるとどうなるでしょうかっ!」


「コ゛ホ゛ホ゛ホ゛ホ゛ア゛ア゛......!」


「残念不正解、ゴボボボボアではありません。正解は......」



 ポチャンッ......。



「激しい爆発を起こします━━」



 ジュワッ━━!



「○*€%°#*〒〆ッ......!」



 ス゛ト゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ン゛ッ━━!



 水との激しい化学反応により金属カリウムは水中でクーロン爆発を起こし一瞬にして爆散した。

 そして金属片が混じった水飛沫が湖に落ち、今度は湖と化学反応を起こして小規模な爆発が発生して辺りは煙に覆われた。



「んん......なんだ......今のは......イ゛テ゛ェ゛ェ゛ッ!」



 海原jrが隣で起きた激しい爆発音と飛沫を顔に受けた痛みで目を覚ます。



「何だこれは......と......父さん......?」



 煙が風で流れて視界がひらけた時、海原jrは親父の無惨な姿を見た━━。



「父さん......父さぁぁぁぁんっ!」



 海原の目に映ったのは体を滅多刺しにされて血だらけ且つ肛門からレイピアが貫通して首から飛び出し、首上が爆散して無くなった無惨な親父の姿だった━━。



「おはよう海原君。良いアラーム音だったろ? ただ残念ながら君のパパはたった今顔面移植に失敗して帰らぬ人になったよ。お悔やみを━━」


「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ━━!」



 海原は蜜で虫が寄りついている自分の体の状態には気が付かないまま声にならない声で叫ぶ━━。



「この悪魔がぁぁっ! いっだい何のためにごんなごどをじだっ! 父さんをがえぜぇぇっ!」


「おーおー樹木のくせによく喋りなさる。そんなんじゃ今お前の乳首で蜜を啜ってるスズメバチが怒って刺してくるぞ?」


「うるぜぇっ! この化け物! クソ野郎がぁぁっ......お前一体何なんだよ! 俺達が何したってんだ!」



「ふっ......そんなに知りたいか? なら教えてやるよ不人気系iTuber明星亜依羅クンの正体を━━」



 俺は再びあの姿に戻る━━。



「あり得ない......嘘だろ......お前死んだはずじゃ......」


「そのまさかさ......俺は黒羽真央。お前らに復讐する悪魔となって地獄から蘇ったんだよ」



 俺の真の正体に海原は絶望の顔に染まる━━。



「そんな......頼む許してくれ! 俺はあの時そんなつもりで......!」


「そうビクつくなよ、とりあえず俺にあの時した事を全て思い出してみようか? 何やったっけ......?」


「それ━━」


「あー思い出せないか......まっ心配するな、君には復習を兼ねてこれから復讐するからそのうち思い出すさ。夜はまだ長い......今夜はオールナイトでよろしくな━━」



 レイと代わって今度は俺自身の復讐劇が幕を開けた━━。


*      *      *


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