第12話 俺と犬の能力

喋れる犬と、その友達である自称猫の人間と俺は会話をしていた。


「ところで自称猫。」

「その呼び方やめて?」

「お前ほんとうに猫か?」

「そうですよ!なんならお見せしてあげます!」


彼女は指を鳴らすと、光だし、そこから形が変わっていった。


「吾輩は猫である。名前はまだない。」

「真似すんなややこしいワン。」

「すいませんにゃ。」

「あぁぁ...なんか喋る動物が二匹に...」

「「いや僕(私)は人間ですけど?」」

「あー...うん。とりあえずバカ猫。」

「なんでバカ!?」

「お前、名前は?」

「名前は____」


ビュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン

バイクの音が鳴り響く。


「_____という名前です!!綺麗ですよね?」

「あの、れいという名前なんわんけど、ついさっきのバイクの音で聞こえなかったワンよ?」

「あれ、おかしいにゃ...私は聞こえてたにゃ。」

「俺やっぱおかしいかもな。人の名前を本人から聞こうとすると無機物や自然音の邪魔が入る。」

「自然音はともかく、無機物にゃ?」

「そういえばお前には言ってないな...」

「こいつは無機物の言ってることや思ってることを感じ取れるんだワン!」

「無理やり聞かされているようなものだけどな。お前らみたいな犬や猫に変身する能力みたいなものだ。」

「へぇ...にゃんで江留えるくんがこの人と一緒にいるのかわかんにゃかったけど、同じ能力者だったからにゃんだなぁ...」

「ちょっとまて、江留?犬の方の名前か。」

「そうだワン。」

「じゃあLONE交換しようぜ。」

「いや犬の状態だったら無理ワンよ。スマホ叩いてボコボコにして破壊するワン。」

「そこまで!?」


「そういやァ犬。俺の聞こえてる無機物の声がわかんのか?」

「そうワンよ!犬の状態だと人間の思ってることが大体分かるワン。」

「へぇ...」

「多分私もですにゃ。」

「よかった。理解者が出来た。」

「まぁ聞こうとしなければ理解しがたい問題ワンけどね☆」

「ふざけんなぶっ56してやるぞ。」

「ひぇー怖いワンw」

「まぁまぁ、落ち着くんだにゃー。」

「お前は許すけどこいつは許さねぇ。」

「ワン!?」

「そういやもう夕方にゃ。帰るにゃ。」

「じゃあな〜」

「あっ変身しとくにゃ。」


零はまた光りに包まれたかと思うと、元の姿に戻っていた。


「じゃあ、私こっちだから!じゃあにゃ...あっじゃあね〜!!!」

「おう。」


零は狭い路地裏の方に去っていった。

俺と江留が残され...江留は、聞いてきた。


「そういえばお前の名前、聞いてなかったワン、何だワン?」

「俺は...」


紙とペンを取り出し、自分の名前を書く。


「この名前だ。」

「そうワンか!いい名前ワン!」

「あぁ...ありがとうな。」


(あの世界での名前だが_____まぁいいだろう。)

(さァて、家に帰ったら晩飯か。皿割ったら皿に叫ばれるから慎重に運ばねーと...)


「これからもよろしくな。江留。」

「こちらこそワン!詩月しずき!」

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